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**終了しました**5月~7月開講:オンラインセミナー『ディビッド・ストロー氏に学ぶシステム原型』(5回シリーズ)

※本コースはおかげ様をもちまして募集を終了しました

システム思考実践の第一人者のディビッド・ストロー氏を講師に迎えたオンラインセミナーを開講

チェンジ・エージェント社では、2005年の創業以来、事業変化の激しい時代において、変化の潮流を捉え、望ましい変化を創りだすために必要となるものの見方、考え方を培う「システム思考」のセミナーを提供してきました。15周年を迎え、システム思考実践の第一人者のディビッド・ストロー氏を講師に迎えたオンラインセミナーを開講します。

システム思考を学ぶことは、組織や地域の関係者間でシステムの複雑性についての共通理解を促し、望ましい未来に向けて適切なビジョン、戦略、行動及びマネジメント・システムの設計を可能にします。日本においても、ロジカル・シンキングを超えた概念スキルとして、組織開発や知識創造のアプローチとして、あるいは社会課題解決、デジタル・トランスフォーメーションなどの基盤としてシステム思考への関心が強まっています。

システム思考の要諦は「ものの見方」にあります。日常や今までのものの見方や枠組みで行き詰まっている際に、大局、全体像、根本を見いだせるように飽くなき観察を通じてシステム的な洞察を得て、新しい視点や知識を創造していきます。しかし、今まで培われた個人や組織の思考の習慣、慣行などを棄却して学ぶことは一朝一夕にはいきません。企業などでシステム思考の実践を指導したダニエル・キム氏は、経験上システム思考の初級レベルの修得に2-5日間、中級レベルに5-10日間、上級レベルには20-30日間の訓練を必要とすると報告しています。弊社の日本国内の経験でも、同様の日数が修得に必要であることを実感しており、リーダーシップやマネジメントが実践経験を要することに通ずるものと考えています。

職場、組織、地域で多様な関係者とともに、システム思考を実践に活かす知恵「システム原型」

こうした必要修得期間は、ファシリテーターやコンサルタントとしてシステム思考を実践するならば妥当な期間ともいえます。しかし、職場、組織、地域などにおいて、システム思考を知らない、あるいはじっくり学ぶ時間を捻出できない関係者たちとともに、対症療法や受け身の事後対策、場当たり的な反応を超えて、よりシステム思考を実践に活かすにはどのようにすればよいでしょうか?

優れたシステム思考家として知られる故ドネラ・メドウズ氏は、システム的な洞察にしばしば共通で見られるストーリー、パターン、構造をまとめた「システム原型」を発案しました。システム原型は、システム思考を学んでいない市民や社員、政治家や経営者であっても、わかるやすくシステムの洞察を伝え、システム的な会話や対話を展開するための基盤となります。「学習する組織」の概念を提唱したピーター・センゲ氏は、このシステム原型を主軸に、ビジネスの現場で実用をした体験を主要コンテンツの一つとして『学習する組織―システム思考で未来を創造する』を著し、ベストセラーとなってシステム思考をビジネスや社会起業家たちの世界に広げました。

ピーター・センゲ氏らと共に、システム原型の実用化のための研究を重ねてきたディビッド・ストロー氏から直接学ぶ

今回開催するオンラインセミナーでは、センゲ氏らと共にイノベーション・アソシエイツ社を共同設立して、数多くの企業、政府機関、非営利組織などでシステム思考の実践を推進する最前線を率いたディビッド・ストロー氏を講師として迎えます。ストロー氏の率いるチームが、システム原型の実用化のための研究を重ね、また多くの事例や活用法について開発していきました。また、ストロー氏は2018年に日本で出版された『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』の著者でもあります。

今回のストロー氏によるシステム思考セミナーは、このシステム原型についてより実践的に学ぶことを主眼としています。システム原型は、複雑なシステム・モデリングに比べれば、より少ない訓練で活用できる一方、単なる問題事象を捉えるテンプレートとして活用したのではその価値が十分活かされません。システム原型は約20ありますが、実際の課題にはどのパターンが起こっているか、どのような構造かを見極める必要があります。さらに、現実に組織や社会で起こる複雑な課題は、しばしば複数の原型が絡み合い、さまざまな環境要因が影響を与えます。

システム思考の実践者のためのオンラインセミナー<全5回>

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本セミナーでは5~7月の金曜日午前に5回構成のシリーズで開催し、ストロー氏の著書で紹介されるシステム原型を順次カバーしていきます。第1回から第3回では、複数の原型の重合型である「予期せぬ敵対関係」、「共有地の悲劇」、「成長と投資不足」のそれぞれに焦点をあて、同時に構成する基本原型や類似する原型について解説し、それぞれなぜ原型の罠にはまるのか、また、どのように罠を回避し、脱出するかについて学びます。また、第4回では多様な利害関係者の絡み合いによって生じるシステムのダイナミクスを概観し、第5回では「システム原型家系図」を通じてすべての原型を振り返り、より複雑なシステムを見立てについて学ぶセッションとなっています。

  1. なぜパートナーたちは「予期せぬ敵対関係」の陥るのか
  2. なぜ私たちは「共有地の悲劇」に陥るのか
  3. なぜ私たちは「成長と投資不足」に陥るのか
  4. どのようなダイナミクスが多様な利害関係者間で働くか
  5. システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか

(詳細は以下「プログラム」参照)

システム原型は、個人レベル、対人関係レベル、集団レベル、社会レベルなどシステムの規模に関わらず、フィードバック構造の組み合わせから洞察を得るツールです。本セミナーでは、社会課題だけではなく、会社や職場などの組織課題、自身や家族など日常生活上の課題などの事例を提示していきます。従って、さまざまな実践の文脈の方にご参加いただけます。

このセミナーの対象として、民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方、あるいはそうした人材開発・組織開発に取り組む方々に最適です。また、社会起業家、社会変革・社会課題解決に取り組む方、CSV、SDGs、ESGに取り組む企業の方にも有益でしょう。なお、オンラインで毎回3時間の講義時間である設計の都合上、システム思考の基礎をすでに学んだ方を対象とさせていただきます。(詳細は以下)

講義+実践演習セッション(オプション)で学びを深める

また、ディビッド・ストロー氏の講義開催日の午後に、オプションで「実践演習セッション」を開催します。その日の講義で示されたシステム原型について、参加者が実際にループ図を描き、チェンジ・エージェント社講師や一緒に学習する参加者たちと共に、その意味合いを探求し、ツールに関する理解を深め、実践イメージを広げます。

日本において、オンラインでシステム思考の第一人者から学べるこの貴重な機会を是非ご活用ください。問い合わせがありましたら、チェンジ・エージェント社江口宛てにご連絡ください。お申し込みは、以下の詳細を参照の上、ページ末にある申し込みフォームに記載、送信ください。

お申込み

プログラム概要

●日時 

<全5回>

2020年5月8日(金)、5月22日(金)、6月5日(金)、6月26日(金)、7月10日(金)

  • 9時30分~12時30分 講義セッション 講師:ディビッド・ストロー氏
  • 14時30分~17時30分 実践演習セッション(オプショナル)講師:小田理一郎

(当日開始15分前までにオンライン接続を試験ください)

● 場所

オンライン アクセスのためのURLを参加者にご案内します
(後述の「アクセスのための環境条件」を確認ください)

● プログラム

『ディビッド・ストロー氏に学ぶシステム原型』(5回シリーズ)

  1. なぜパートナーたちは「予期せぬ敵対関係」の陥るのか
  2. なぜ私たちは「共有地の悲劇」に陥るのか
  3. なぜ私たちは「成長と投資不足」に陥るのか
  4. どのようなダイナミクスが多様な利害関係者間で働くか
  5. システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか

第1回 なぜパートナーたちは「予期せぬ敵対関係」に陥るのか

対象原型:「問題のすり替わり」「うまくいかない解決策」「予期せぬ敵対関係」

 システム原型の導入として、相互作用の構造を示す自己強化型ループとバランス型ループを振り返ります。「問題のすり替わり」と「うまくいかない解決策(または、裏目に出る応急策)」は類似していますが、一つ重要な相違点があります。「予期せぬ敵対関係」の基本構造は、2つの「うまくいかない解決策」が重なり合ったものです。自己強化型ループが好循環にも悪循環にもなりえますが、この原型ではどちらも存在し得ます。なぜパートナーたちはいつの間にか敵対関係に陥るのか、また、どのようにその罠を回避し、あるいは抜けだせるのかについて学びます。

第2回 なぜ私たちは「共有地の悲劇」に陥るのか

対象原型:「成長の限界」「共有地の悲劇」

 「共有地の悲劇(または、コモンズの悲劇)」とは、ギャレット・ハーディンに拠って提唱された、多数の利用者が利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招く経済学の法則です。その基本構造は、2つの「成長の限界」構造の重合です。なぜ私たちはしばしば共有資源を枯渇させてしまうのか、また、どのようにその罠を回避し、あるいは抜け出せるかについて学びます。

第3回 なぜ私たちは「成長と投資不足」に陥るのか

対象原型:「目標のなし崩し」「成長と投資不足」

 成長の限界の構造にあって、成長の鈍化を迎えたときの定石は、制約要因を見定め、能力を強化する投資を行うです。にもかかわらず、なぜ私たちはしばしば投資をためらうのでしょうか? 「成長と投資不足」の構造は、「成長の限界」と「目標のなし崩し」の組み合わせであり、また、「目標のなし崩し」は「問題のすり替わり」の特殊形にほかなりません。いかにして「鶏が先か、卵が先か」の議論に終止符を打つかについて学びます。

第4回 どのようなダイナミクスが多様な利害関係者間で働くか

対象原型:「エスカレーション」「バラバラの目標」「強者はますます強く」

 市場、業界、社会、地域には数多くのプレイヤーたちが混在します。もし、私たちの扱うシステムに関わる関係者が、自分たちだけだとしたら多くの課題は技術的な問題として解決しうることでしょう。しかし、現実のシステムは複雑にさまざまな利害関係者が絡み合います。第四回では、多様な利害関係者の間で働く3つのシステム原型を取り上げます。

第5回 システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか

 今までの学習のまとめとして、「システム原型家系図」を活用してすべての原型を振り返ります。また、事例からシステム原型を見つける演習を紹介します。また、とても複雑な問題状況において、いかにシステム分析が複数のシステム原型の絡み合いを見出し、また、それぞれの原型の視点から多様な洞察を生み出すかについて紹介します。

○実践演習セッション

各回講義セッションを12時半に終了して後、昼食休憩と各自自習時間を経て、14時半から実際に学んだシステム原型を参加者の課題に応用し、そのシステム分析を共有し、共に探求することで理解を深めます。この演習セッションは、チェンジ・エージェント社の小田理一郎がファシリテーションを行います。代表的な事例は英訳してストロー氏に送り、次の会で講評を得ることにつなげます。

※セミナーは日本語で行います。デイヴィッド・ストロー氏は英語で話しますが、日本語への逐次通訳がつきます。

● 講師紹介

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講義セッション講師

デイヴィッド・ピーター・ストロー

システム思考をベースに組織や社会課題の解決を支援するコーチ/コンサルタント。ブリッジウェイ・パートナーズ、アプライド・システム・シンキングの共同設立者。社会変革プロジェクトに25年以上携わり、世界銀行、ロイヤル・ダッチ・シェル、W・Kケロッグ財団など、さまざまな非営利組織、営利組織、公的機関と協働した実績をもつ。

著書に『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』(英治出版)。また、ピーター・センゲ著『学習する組織』(英治出版)、『学習する組織フィールドブック「5つの能力」』(日本経済新聞社)などへの貢献・執筆。

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進行/実践演習セッション講師

小田 理一郎(チェンジ・エージェント代表取締役)

オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、人財・組織開発、CSR経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲ、アダム・カヘン、ビル・トルバートら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL) ジャパン代表、グローバルSoL理事などを務め、国内外でシステム思考、ダイアログ、「学習する組織」の普及推進を図っている。

著書に『「学習する組織」入門』(英治出版)、『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』(東洋経済新報社)など、監訳・共訳書にデイヴィッド・ストロー著『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』、アダム・カヘン著『敵とのコラボレーション』、ビル・トルバート他著『行動探求』、アダム・カヘン著『社会変革のシナリオ・プランニング』、ピーター・M・センゲ著『学習する組織』、アダム・カヘン著『敵とのコラボレーション』、ディヴィッド・ピーター・ストロー『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』(以上、英治出版)など。

デイヴィッド・ストロー氏に関するコメント

"複雑な問題を解決するに対して、断片化されたバラバラの取り組みでは効果が上がらないことを認識することはたやすい。しかし、それにとって変わる手法を具体的に提示するとなると話は別だ。ディヴィッド・ストローは、さまざまな状況下で40年間にわたる実践的なシステム思考ツールの応用を経て、結果を残すための、明快で説得力のあるガイドを書き上げた。" 
(ピーター・センゲ、MIT上級講師、『学習する組織』著者)

"ディヴィッド・ストローは、システムの原則を建設的な社会変革に努力する人たちに向けて活用する取り組みの第一人者である。システム思考の書籍は多くあるが、どれもその活用方法については書かれていない。この本はその例外と言えるだろう。ディヴィッドは、私たちの社会の重要な課題に長年にわたってコンサルタントとして従事してきた経験を紐解いている。"
(デニス・メドウズ、『成長の限界』共著者)

"デイヴィッドとマイケルが(システム原型)の考え方をビジネスや職場の場面に応用し、実践を積みながら練り上げていきました。彼らのこの貢献は、1990年に版されたピーター・センゲの『学習する組織』)の中で大きく取り上げられています。システム原型を用いることで、難易度が比較的高い作業が多かったシステム思考の実践を、身近な職場やビジネスの問題へ適用することがしやすくなったのです。このシリーズの書籍の発行部数は全世界で300万部以上にものぼり、世界各国の組織や地域で「学習する組織」の考え方が広がっています。"
(小田理一郎、『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』監訳者による解説より引用)

● お薦めする受講者

  • 民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方
  • 向社会的な人材開発・組織開発に取り組むマネジャー・担当者
  • 社会起業家、社会変革・社会課題解決に取り組む組織のマネジャー・担当者

◆過去にシステム思考トレーニング基礎編を受講した方または相当する知識・スキルをお持ちの方が対象です(時系列変化パターングラフとループ図の描き方を理解している、ループ図を読み解いてシステム理解のための議論・対話ができるレベル)

● 参加費

全5回

  • 講義のみ(一般) 180,000円(税別)
  • 講義+実践演習(一般) 250,000円(税別)
  • 講義のみ(NPO・教職員)   126,000円(税別)
  • 講義+実践演習(NPO・教職員) 175,000円(税別)

※「NPO職員(フルタイム)の方」、「小中高教員の方」は参加費が30%割引になります。NPO法人割引は、特定非営利活動法人・公益財団法人・公益社団法人を前提にしております。ご利用に際して必要手続きをご案内しますので、詳しくは事務局seminar@change-agent.jpまでお問い合わせください。

※すべての日程で参加調整できない方はご相談ください。

●アクセスのための環境条件

  • パソコンまたは同等機能のタブレットとビデオカメラ、マイク、ヘッドホン/イヤホン
  • ブロードバンド回線によるインターネット接続(目安:実質で上り/下り1.5Mbps以上)
  • ブラウザーソフト(Microsoft Edge, Google Chromeなど。Zoom使用予定)
  • できるだけ雑踏や周囲の会話のない静かな環境

    ※単一端末から、複数名でのご参加は原則ご遠慮ください
    ※原則音声のみの参加はご遠慮ください。個別の事情がある場合は事前にご相談ください。
    ※コースの特性上、スマートフォンからのご参加はできませんのでご了承ください。

●事前準備

事前準備として接続テスト、操作の確認の日時をご案内する予定です。

また、セミナー当日の環境でも開始15分前までにオンライン接続の試験を行っていただくよう、お願いします。

それぞれのPC及びインターネット環境によってアクセスや操作上のトラブルが生じる可能性もあります。事前確認や当日のヘルプなどによってトラブル最小化に努めます。万が一、技術的な理由によって、目指した学習を得られなかった際には、録画した講義セッションによる代替、あるいはセミナー料金を払い戻しを選択いただきます。

●主催
有限会社チェンジ・エージェント

お申込み

お問い合わせ

(有)チェンジ・エージェント 江口
E-mail: seminar@change-agent.jp Tel:03-5846-9660
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(オリジナル2020年3月16日公開)

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