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システム思考=思い込みを排し、全体を見る

2009年02月23日

(枝廣淳子・小田理一郎『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす! システム思考の上手な使い方』より)

 環境や状況が複雑になればなるほど、どの面を切り出して考えているかによって、同じ状況に対する現状認識が違ってきます。つまり、状況を見ただけで現状認識を共有する、ということができなくなってきているのです。

これまでの世界であれば、会社の課題は社員全員とって明らかなものでした。ところが、現在はどうでしょうか? 「わが社にとって重大な課題は何か」の認識そのものが、社員一人ひとりによって違うのではないでしょうか。「自分たちが取り組まなくてはならない本当の問題は何なのか」「自分たちは何を見ているのか」という前提自体が合っていないために、何度会議を重ねても、建設的な議論ができずに、言い合いや欲求不満のうちにフラストレーションをためることも多々あります。

 「学習する組織」の概念を確率したピーター・センゲが提唱して以来、システム思考が「学習する組織」にとっての「第5のディシプリン」と位置づけられ、重視されているのは、グループや組織にとっての「共通言語」となるためです。システム思考は、「思い込み」と呼ばれる人々の狭い見方を広げ、新しい視点で全体像を見ようとするものです。

システム思考を用いることで、組織のメンバーはまず「自分のメンタルモデル(思い込みや世界観)」を認識し、次に、おたがいのメンタルモデルを理解して、全体像の理解を深め、その結果、効果的な働きかけをいっしょに考えることができるようになります。システム思考は、「しなやかに強く、進化し続ける組織」をつくるための鍵を握っているとして、欧米の企業を中心に、組織づくりや社員研修の基盤として広く採り入れられています。

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