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世界的に著名な「変革ファシリテーター」、アダム・カヘン氏の来日イベント(4月12日)は終了しました
2008年のピーター・センゲ氏・野中郁次郎氏対談、2009年は協賛でのデニス・メドウズ氏・田坂広志氏共演、そして2010年は、世界的に著名な「変革ファシリテーター」アダム・カヘン氏を招いてのイベントです。
「シナリオ・プラニング」という手法をご存じでしょうか? ビジネスの世界ではエネルギー業界のロイヤル・ダッチ・シェル社(以下、「シェル」)が使っていることで一躍有名になりました。
シェルでは、各国や各事業の戦略策定プロセスで、過去の延長ではない、大幅に異なる未来のシナリオを検討します。1970年代初期、「もし原油が枯渇したら何が起こるか?」 というシナリオを信じるマネージャーはいませんでしたが、それでもあえて、「起こった場合、シェルに何が起こるのか、どのように対応するのか」を検討しました。
くしくも、1973年にはオイルショックが到来。突然の環境変化に右往左往する石油メジャー達を横目に、シェルのマネージャーたちは、現場レベルで原油供給の大幅な低下とそれに続く需要の減少に的確に対応して、業界6~7位から一気に2位へと躍進します。
シェルではシナリオ・プラニングを定期的に実施しています。「未来に何が起こりうるのか」の検討には、政治、社会、経済、科学技術などの広範な知見が必要であり、そのために優秀なスタッフが招聘されます。アダム・カヘン氏も、1990年代にシェルに招聘されて、シナリオ・プラニングに携わりました。シナリオ・プラニングの実施方法も回を重ねる毎に改良が加えられ、複雑さを増すグローバルな課題に対応するために、「システム思考」と「ダイアログ」をベースにしたアプローチが取られるようになっていきます。(「ダイアログ」に関してはこちらをご覧ください。)
人種を隔離する「アパルトヘイト政策」に行き詰まりを見せていた南アフリカは、新しい国の未来を創るために、シナリオ・プラニングの手法に着目し、アダム・カヘン氏をファシリテーターとして招聘しました。アダム・カヘン氏は、相克する利害関係者間での「ダイアログ」を積み重ね、南アフリカのシナリオを創り出しました。このシナリオの一つが、その後の南アフリカの民主化に大きく寄与することになります。
グアテマラ内戦後の国づくりや、インドでの貧困による子供の栄養失調の問題など、さまざまな課題のダイアログをファシリテーションしたアダム・カヘン氏は、オットー・シャーマー氏やピーター・センゲ氏らとともに、変革の理論・手法である「U理論」の実践にも取り組んでいます。U理論では、「現実についてひたすら観察を行い、内なる叡智を出現させて、その瞬間に即興で行動する」ことで、変革を引き出します。(U理論の紹介はこちらをご覧ください。)
人口増加・ライフスタイルの変化で需要が伸びる一方で、自然破壊などで供給が伸び悩む世界の食糧・農業問題に取り組む「サステナブル・フード・ラボ」の共同リーダーとして、世界的な大手小売、流通、食品メーカー、生産者、政府、NGOなどのさまざまな利害関係者の代表たちによる変革のプロセスをファシリテーションしました。この大陸横断プロジェクトから、持続可能な管理に基づく農業・漁業、フェアトレード、貧困に窮する農村コミュニティ開発など、持続可能な食の未来を創り出すさまざまな取り組みが生み出されました。(サステナブル・フード・ラボについての紹介はこちらをご覧ください。)
このシンポジウムでは、さまざまな複雑な課題のファシリテーションを行ってきたカヘン氏から、「変化の担い手」となる上で何が大切なのかを語っていただきながら、複雑で困難な時代の中で私たちが望む未来へ流れをつくる本質を、カヘン氏と共に考え、対話していきます。
この変化の時代を共に生きる私たちに何ができるのか、共に探求できるまたとない貴重な「場」となることでしょう。SoLジャパン シンポジウムのご案内
世界的な紛争解決ファシリテーター アダム・カヘン氏来日!
『Power and Love ~私たち一人ひとりの社会変革~』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆【日 時】 2010年4月12日(月)午後1時~5時(予定)
【場 所】 日本財団ビル 2階 大会議室
東京都港区赤坂1丁目2番2号
【プログラム(予定)】
本シンポジウムは、一方的な講演(スピーチ)という形ではなく、アダム氏の知見をもとに全体を通して対話の場としてプログラムがデザインされ、アダム・カヘン氏と会場との双方向のコミュニケーション及びグループや会場全体の対話の中で進行いたします。
第一部 インタラクティブ(双方向)セッション
これまでの世界中で実践されてきた数々のプロジェクト通してカヘン氏が導き出した社会変革の取り組みと洞察をご紹介いただきながら、会場とカヘン氏の双方向のやりとりの中でカヘン氏のストーリーと共にメッセージを深めていきます。
第二部 ホールダイアログ(全体での対話)
インタラクティブセッションを受けて、「今の自分たちの生活や社会にあてはめたときに何がみえるのか」「私たちにとってどんな意味があるのか」を、カヘン氏のファシリテーションにより会場全体で探求していきます。
当日カヘン氏から参加者の皆様に素敵なプレゼントがあるかもしれません。お楽しみに!
【演者プロフィール】
アダム・カヘン (レオス・パートナーズ社パートナー)
世界50カ国以上で企業の役員、政治家、軍人、ゲリラ、市民リーダー、コミュニティー活動家、国連職員など多岐に渡る人々に対して困難な社会問題に取り組むプロセスをデザインし、行動をとるための対話(ダイアログ)のファシリテーションを行っている。1990年代に英蘭のロイヤル・ダッチ・シェル社において社会、政治、経済、技術シナリオ・プラニングのチームの責任者として活躍。
1991年~1992年に南アフリカでアパルトヘイトによって分断されていた人々が集い民主化への移行を実現するために実施された「モンフルールシナリオプロジェクト」をファシリテートしたことをきっかけに世界中でセクター横断的なダイアログと行動のプロセスを支援するようになる。
(著書)
『Solving Tough Problems(邦題:「手ごわい問題は、対話で解決する」)』
【参加費】 一般価格 10,000円(税込)
学生・NPO常勤スタッフ特別価格 3,000円(税込)※
※特別枠は定期収入のない現役の学生と、NPO法人またはそれに準ずる中間法人・任意団体からのみ収入を得ている方を対象とさせていただきます。
【主 催】 SoLジャパン (日本学習組織協会)
【協 賛】 英治出版株式会社
【告知協力】 有限会社チェンジ・エージェント、他
【参加お申し込み】
以下お申し込みフォームにアクセスして必要事項を記入し、送信してくださ い。
パソコン用URL http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P53854815
携帯電話用URL http://www.formzu.net/mfgen.ex?ID=P53854815
その後、振込をもって正式申し込みとなります。
【お問い合わせ】
SoLジャパンシンポジウム事務局 sympo@change-agent.jp