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共に学び合える場、共に学び合えるとき

2011年10月07日

前回のメルマガで紹介したバラトン合宿ですが、今年もとても充実していました。
http://change-agent.jp/news/archives/000453.html

このバラトン合宿では、途上国と先進国、東側と西側、東洋と西洋から多様な人材の集まる科学者と実践家がシステム的な視点から、各地域、地球規模の課題について話し合います。いつもながら、最先端の知識や鋭い視点、深い洞察と慈愛にあふれています。

この合宿の運営委員と会計も務めるようになって、自分自身の役割の変化を感じとっています。当初は長老や中堅に導いてもらって過ごしていました。徐々に、先達に倣ってメンター(対話による気づきや助言によって本人の自発的な成長を促す人)の役割をし始めるようになりましたが、今年は主に途上国から10人のフェローが参加したこともあって特にそういった時間が増えてきました。

途上国のフェローや、他国でシステム的な大きな課題に取りくむ仲間たちとの会話は、メンターにとっても学びの多いものとなります。また、自分自身の活動について話をするとき、気がつけば自分の周りには数多くのメンターがいてくれて、心からの助言や問いを投げかけてくれます。バラトン合宿の、このような人々のあり方や場の質があるからこそ、30年にわたって続けられてきたのでしょう。

相互メンター、ないし、相互コーチのような仲間で構築する組織やネットワークの力は計り知れないものとなります。もし、会社や政府などのそのような、共通の目的や共有ビジョンに向けて、多様な視点から、批判的かつ建設的な議論や対話ができるような、互いが互いのためになれるチームを築いたとしたらどんなにすばらしいことでしょう。

「学習する組織」を体現するバラトン合宿での体験は、日本でもこの「学習する組織」を普及したい、と思う原動力になっています。そして、こうした人間関係は、職場や組織の枠組みだけに限られるものではありません。時には、顧客とも、取引先とも、そのとき出会ったばかりの人たちとも、共通の目的に向かうチームを構成することができます。日々の一期一会の出会いの中でも、互いに学習できる人間関係をつくることもできるでしょう。

最近日本でも、この「学習する組織」を目指す企業が増えていて、とてもうれしく思っています。そして、世界では企業だけはなく、すでに「学習する学校」「学習する病院」「学習する政府」「学習するコミュニティ」などが実践されています。相互に依存し合い、全体としての営みのある、あらゆる人の集まりの中で、学習を通じた本質的な変化、未来創造の輪をこの日本で広げて行きたいと思っています。

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