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東北における若手リーダー育成ワークショップ

2012年06月07日

先月13日、宮城県仙台市で復興関連に携わる20~30代の若手リーダーたちに集まってもらい、リーダー育成ワークショップのパイロット版を行いました。

私たちが関わるNGOのジャパン・フォー・サステナビリティが主催し、SoLジャパンで公募した2人の敏腕ファシリテーターに参画してもらい、諸費用は日本興亜損保
からの義援金でまかないました。また、以前からつながりのあったいくつかの若者たちのネットワークに声がけをして、コミュニティに根ざして支援する団体や自治組
織、それらを支える財団や中間団体、あるいは自治体や復興庁などから、復興支援に関わる若者たち20人が集まってくれました。

それぞれの立ち場から、復興に向けて日夜活動している若者たちです。すでに参加者の多くは対話を経験し、その有用性を感じて実践し始めている人たちがたくさんいま
す。そこで、今回のテーマとして「システム思考」を選びました。大局の流れを読み、複雑な構造の全体像とツボを明確にすることを狙いとしています。

全体最適がなされないのはなぜか? この分野の第一人者であるデニス・メドウズ氏の開発した経営戦略演習を行うと、部分最適に向かう行為が自らのメンタル・モデル
の発現で起こっていることや、その発現の原因となるのは行動するそれぞれの人の周囲の環境や文脈など、構造的な要因によって起こることが明らかになります。

その後、私たちの同僚であるアラン・アトキソン氏が開発したISISという手法を使って、復興に向けたそれぞれの組織の活動が、どんな構造の中で日々行動している
か、つながりや全体像がどうなっているかを明らかにするためのワークを行いました。

できあがったループ図からは復興に真摯に取り組む若者たちが、限られた資源をもとに、自分たちの心意気で必死に支えようとしている現状や、全体として機能するため
には、重要な複数の要素やつながりがバランスよく動きだし、相乗的に展開する必要性があることなどが浮かび上がってきました。ワークショップのレポート(動画付)
は下記にあります。
 http://www.japanfs.org/tohoku/ja/leader/report/pages/031962.html

今回は時間が限られていたため、どのレバレッジポイントに対して、どんなイノベーションを図っていくか、についての対話にまでは至りませんでしたが、今回の1日の
パイロットの結果から、次回10月に2日間のワークショップ、さらに1日のフォローアップ・セッションを行うことが決まっています。

復興のために日々努力し、またその使命のために自らを高めようとする若者たちと接して、胸が熱くなってくる想いです。東北の人々のため、復興を支える人たちのた
め、私たちも、できるところから、できることを進めていこうと思います。

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