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新年おめでとうございます。 
年始にあたり、皆様のご健勝とご活躍を祈念申し上げます。
 
さて、私たちチェンジ・エージェントは2014年も、組織や社会によりよい変化を創り出す変化の担い手たちを育成、応援に邁進しました。

2014年振り返り

 志、共創対話、複雑性の理解による「学習する組織」アプローチを掲げて組織リーダーや組織開発ファシリテーターの育成を実施、その核となる「システム思考」についても短期間で習得できるための工夫を重ねたワークショップを展開しています。
 戦略分野では、従来までの経営理念を固めて共有ビジョンを構築するアプローチに加えて、「シナリオ・プランニング」という不確実、あいまいな事業環境の未来を読み解くためのアプローチを加えて、論理的思考の分析とシステム思考の分析を統合して戦略策定するモデルを提供し、マネージャーの戦略課題設定能力や策定能力の向上を支援しました。そして、これら組織面・戦略面のアプローチを統合した「経営者リーダー研修」を通じて企業役員・次世代経営層の能力向上のプログラムも進化させていきました。
 特に混迷が深まる世界と日本の状況下での未来構想力を強化するために、「シナリオ手法(シナリオ・プランニング)」を紹介し、この分野の第一人者で、故ネルソン・マンデラ氏はじめ世界のリーダーたちの信頼が厚いアダム・カヘン氏の翻訳書『社会変革のシナリオ・プランニング』を上梓しました。上梓にあわせて、カヘン氏を日本に招聘し、講演やセミナーを開催して日本の変化の担い手たちとシナリオのレンズを使いながら、私たちの未来を形作る外的環境と私たちの意志の相互作用について対話を深めました。
 早速このシナリオ手法(シナリオ・プランニング)を活用して、「2030年日本の教育の未来」「2030年『働く』の未来」「2050年日本の都市と地域のつながり」などをテーマにシナリオを構築しました。いずれも多様な関係者の招集がそのアウトプットの重要性を占めますが、多くの関係者や同志たちの協力を得て、共通理解を広げていきました。こうしたマルチステークホルダー・プロセスは、イノベーションを必要とし、真に多様性を活かしたチームやコミュニティを築いていく上でますます重要性を高めていくと実感しています。
 また、昨年は弊社が創立10年目を迎えたことを機に、若手講師を派遣する「システム思考」講演キャンペーンを開始。延べ170名ほどの方に大局と根本を見るためのシステム・アプローチの考え方や方法論をお伝えするご縁をいただきました。
 海外においては、役員を務める人材・組織開発のグローバル・ネットワークが「Global SoLフォーラム」をパリで開催し、世界五大陸から450人のプロフェッショナルたちが集まり、最新手法やグローバル課題について対話を深めました。また、例年ハンガリーで行うバラトン合宿において、今年新たに6人の途上国女性開発リーダーを選抜、奨学生として迎え、科学者・活動家たちと「持続可能な開発ゴール(SDG)」について議論しました。

2015年の展望

 まず年頭から実施したいことは、シナリオ手法(シナリオ・プランニング)やマルチステークホルダー・プロセスについて、皆様に知っていただくために講演や勉強会などを提供していきたいと思っております。海外では、事例を通じてアプローチが確立し始めていますが、シナリオを活用した企業事例や国、地域の事例、あるいは企業とNGOがマルチステークホルダー・プロセスを通じて成功を収めている事例などを紹介しながら、日本でも同様のプロセスを始めるきっかけとなることを願っています。(詳細は次号でご案内します。)
 また、1月24日には、希有のシステム思考家であり、コミュニケーターであった故ドネラ・メドウズが記したシステム思考の入門書『世界はシステムで動く』が上梓されます。発売前から多くの期待が寄せられ、うれしく思っています。この本をもとにしたセミナーや勉強会、ゼミなどを予定しています。システム思考とは何か、大局やものごとの本質を見るということがどのようなことか、ドネラさんの教えをわかりやすくひもといていこうと考えています。
 4月にはおかげさまでチェンジ・エージェントも10周年を迎えます。記念イベントを開催するとともに、支えてくださった皆様のご愛顧への感謝として「学習する組織」をテーマとしたキャンペーンを展開すべく、企画中です。
 組織向けにはオープンセミナーや、企業向けの研修・講演、経営理念・組織開発・戦略策定などのプロセス・ファシリテーションなど、今までの経験やノウハウを活かしながら、それぞれの組織のニーズに応えたサービスを提供していきます。
 また、社会に対しては環境問題、食料問題、教育問題や復興・地域支援など今までの取り組みを継続するとともに、新機軸を築いていけるよう、諸関係者のみなさまとのマルチステークホルダー・プロセスの実践を、より高いレベルで実践していくように努めていきます。
 海外では、バラトン・グループやSoLコミュニティなどのネットワークを通じて、社会変革のリーダー、若手、組織の能力開発への取り組みを継続し、世界に貢献し続ける地球市民の一員としての責務を果たしていくと共に、そこでの経験を日本にもフィードバックしていきます。

本年も、未来を担う人財、組織づくりと持続可能な社会づくりに向けて歩みを進め、皆様とご一緒に望む未来の共創に励んでいく所存でございます。
本年もご愛顧・ご指導をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

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