組織開発プロセスデザイン及びコンサルティング
「変える」力を引き出す
近年注目されている「組織開発」のアプローチですが、時代や組織の背景よってそのアプローチは様々です。数ある組織開発のアプローチの中でも企業や国際機関の経営者にひときわ脚光を浴びたのがMIT上級講師のピーター・センゲが提唱した「学習する組織」です。
学習する組織の特徴は、システム論、認知行動科学、組織論、動機付け・心理学、成人教育学、リーダーシップ論などの科学的知見をベースにしながら、実践から のアクション・ラーニングを重視し、個人と組織の学習能力を相互に発展させることによって組織の健全性と有効性を高めることにあります。
学習する組織では、組織開発の戦略の構造と深遠な学習サイクルを中心に据えて、メンバーや組織の視野拡大や視座転換を図ります。組織と個人に求められる中核 的な能力が、学習する組織の3本柱である1)志の育成(自己マスタリーと共有ビジョン)、2)複雑性の理解(システム思考)、3)共創的な対話の展開(メ ンタル・モデルとチーム学習)です。
組織開発において、組織の発達段階がどのフェーズにあって、また、どのフェーズに向かおうとしているかの見立てが鍵を握ります。この見立ての助けとなるのが、組織のフェーズ毎にどのような認知や意思決定がなされるかについての行動論理の類型による「組織の発達の8段階」が重要となります。
一言で「学習する組織」を目指すと言っても、「結合」段階から機能、事業、市場の分化・多角化へ向かう「実験」段階に移行しつつある組織か、あるいは、実験の次の段階として多様な部門・部署にまたがって統一的な統治・意思決定のプロセスを確立しようとする「体系的な生産性」段階へ移行する組織によって、組織開発上の課題やアプローチも異なるからです。
組織開発の実践においては、組織の戦略や制度、組織能力や風土、組織・個人及び個人間の関係性などの状況に応じて以下のアクションを複数組み合わせる必要があります。
- 経営陣および社員によるミッション、ビジョン、バリューなどの組織理念の構築と共有
- 風通しのよい/オープンでフィードバックがさまざまな多重になされる組織風土と慣行
- 複雑な事業環境及び自社の活動、諸部署・個人間の関係性などの複雑性に関するより大きな視野からの共通理解と全体最適のビジョン・戦略共有
- 自身とチームのパフォーマンスを阻害する自身のメンタル・モデルの内省習慣と効果的な思考と行動をもたらすための探求
- チーム・組織横断で内省的、共創的に対話を展開するためのファシリテーション能力の構築と境界内外での対話慣行の広がり
- 個人のキャリアビジョンの推奨と組織ビジョンとの重なりを築く内発的動機付け及び実現に向けての創造的な緊張感の構築
- ビジョンを実現するためのイノベーションや新しいモデルのパイロット・プログラム推進
- リーダー/メンバーの視野を広げるためのさまざまな現場観察、現場訪問、ラーニング・ジャーニー
- 学習文化とチーム学習・学習サイクルの慣行の定着化
- 上記の実践を可能にする対人能力及び概念的能力を培うための手法と慣行の理解のための研修及び反復練習
- 取り組みの前後ないし取組中における組織状況の診断と効果測定
チェンジ・エージェント社の組織開発コンサルティングは、経営者や組織開発リーダーの伴走パートナーとなって、現状に関する診断や見立てから、組織開発プロセスの設計、及び実施やファシリテーション、リーダー及び組織の能力開発を支援します。
プロセス設計は、組織の状況や要望によってカスタマイズされますが、チーム単位の実施のイメージは下図の通りです。3日間程度の導入研修によって学習する組 織の基本的な手法とスキルを身につけ、実際の課題に適用して反復練習をすることで習熟と組織開発のアクションの展開を図ります。習熟に必要な期間は 4~8ヶ月です。
この基本プロセスに、上述のリストから重点活動を定めて組織開発プロセスを展開します。組織の規模にもよりますが、1.5年から数年間の取り組みとなります。
期待効果
- 職場風土の改善、オープンな組織風土構築、コミュニケーションの量・質の向上
- 経営陣・マネジャー・社員間の関係性の質の改善、エンゲージメントの向上
- 経営陣・マネジャー・社員の思考・行動の質の向上とフィードバックの質・量増加
- 理念の共有とコミットメント度合いの向上
- 事業環境及び自社活動の共通理解と部分最適弊害の縮小
- パフォーマンス/結果の改善
- 事業環境変化や新たな戦略の適応能力向上、レジリエンスの構築
- たゆまぬ学習文化の定着
導入実績
- 工場における共有理念策定、組織風土改革(化学)
- 工場社員の動機付け・対話研修(製薬)
- 学習する組織手法による社員エンゲージメント向上のためのダイアログ (外資系メーカー)
- 事業部門の組織ビジョン策定 (外資系メーカー)
- 人事戦略のビジョン策定 (小売)
- ビジョン浸透のための有志社員企画による全社員対話集会(情報システム)
- 役員の社員コミュニケーション能力向上研修(食品)