今の時代に迫り来るチャレンジの一つが、複雑に問題が絡み合い、利害関係者が対立する状況において、いかに変化を成し遂げるかです。どれほど努力しても自分、親しい同僚、仲間達とだけではその変化を創り出せないとき、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

問題の複雑さが増せば増すほど、その解決には他者を巻き込んだコラボレーション(協働)が必要となります。しかし、コラボレーションは言うは易く行うは難しいものです。家庭でも、職場でも、ビジネスでも、ウィン-ウィンや相互互恵を目指して始まった二者間や多数の関係者たちとの営みが、いつの間にか意図せず敵対関係に陥ってしまうことを経験したことはないでしょうか?意見が合わない人や対立をしている人たちと一緒に働くことの難しさは多くの人が経験するところです。

「コラボレーションは最善の選択肢ではない」

これまで数々の難しいコラボレーションをファシリテートしてきたレオス社のアダム・カヘン氏は、コラボレーションは必ずしも最善の選択肢ではないと言います。他の選択肢が機能しないときの最後のオプションだと言うことです。他の選択肢とは、対立する相手と戦い続けること、変えられない状況を受け容れて適応し続けること、そしてそのような複雑な状況から離脱を決めて他の場所へ移ることです。少なくともこれによって、難しいコラボレーションを回避することができます。

しかし、このような選択肢も日に日にその限界を露呈しているのが今日の状況です。これらの方法で望ましい変化は創り出せるでしょうか? いつまで戦い続けることができるでしょうか? いつまで現状に我慢できるでしょうか? いつまであきらめて、新しい場所へと移り続けることができるのでしょうか? 

どうやって賛同できない人、好きになれない人、信頼できない人と協働するのか?

そんな現状へのフラストレーションが高まったとき、私たちの心に裂け目が生じ、一筋の可能性を見出すことができます。あえて、いつの間にか敵対関係に陥ってしまうことに対して、向き合う意図も生まれてくるかもしれません。そんなとき、ぶつかる壁はどうやって、敵対した人たちとコラボレーションするかです。

このチャレンジについて書かれたのが、アダム・カヘン氏のベストセラー新著『Collaborating with the Enemy(仮題:敵対者たちとの協働)』です。最後のオプションとして向き合う難しいコラボレーションについて、アダム・カヘン氏は従来型コラボレーションの枠組みを超えた、新たな方法として「ストレッチ・コラボレーション」を提唱しています。

そのアプローチは、協働者どうしの関係、協働の取り組みの進め方、そして複雑に問題の絡み合う状況への自らの関与の仕方について、従来型コラボレーションとは一線を画する3つのストレッチを求めるものです。

チェンジ・エージェント社はこの度、世界的ファシリテーターのアダム・カヘン氏を日本に招聘し、このストレッチ・コラボレーションについて学ぶイベントを開催できることとなりました。まずコラボレーションを必要とする状況の見立て方、そして3つのストレッチの進め方について、2018年11月1日~2日に特別セミナーを開催します。

今、アダム・カヘン氏に出会う意味

私たちは気候変動や経済、政治の変化等、これまでのやり方が通用しない激流のような変化に翻弄されています。誰も正解やロードマップを示せない状況の中では、行動し結果から真摯に学ぶ以外に道はありません。

アダム・カヘン氏は南アフリカのアパルトヘイト問題をはじめとして、難しい状況に向き合い続け、解決に導いてきた世界的ファシリテーターです。その氏が数々の難しい実践の中から学び続け、コラボレーションを成功させるための新たな方法論を生み出しました。その方法論を本人から直接学ぶだけでなく、その学ぶ姿勢、あり方に触れる事は、これからの激流を生きる私たちにとって特別な意味をもたらすと考えています。

日本で組織や社会を変えたいと切に願う人にとってまたとない機会を提供できることにチェンジ・エージェント社として大きな喜びを感じています。できるだけ沢山の方にこの機会を活用して頂けるように、1日に行う講演部分については従来よりも大きな規模で開催致します。変化の担い手を志す多くの方のご参加をお待ちしております。