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Homeニュース&トピックス袋小路からの脱出(4)「ティッピング・ポイント」

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20100226

【コラム,システム思考】

袋小路からの脱出(4)「ティッピング・ポイント」


最近新型インフルエンザの流行が気になるところです。ところでウィルス感染はどのように流行するのでしょうか?

感染者が、免疫を持たない未感染者と接触するとき、ある確率でその未感染者が感染(罹患)します。その感染者が、また別の未感染者に接触して感染するとさらに感染者が増える自己強化型構造の力が働きます。

一方、感染者が増えて未感染者が少なくなると、新たな感染は起こりにくくなり、、やがて飽和します。また、治癒によって感染者数は相対的に減少します。これらは、感染者が多ければ多いほど感染者を減らす、バランス型構造の力が働きです。

実際に感染者が増えるかどうかは、自己強化型とバランス型のどちらの構造が強いかによって決まります。治癒するまでの期間に1人の感染者が新たに感染させる罹患数(接触する未感染者数×感染確率)が1を超えると、流行が起こります。

自己強化型の構造が支配的になると、しばしば加速度的に急激な変化を生み出します。その力関係が変わる転換点を、バランスを崩すという意味から「ティッピング・ポイント」と呼びます。

ティッピング・ポイントは、何が増えるかによって歓迎される場合とされない場合があります。

増やしたいものに、例えば顧客数があるでしょう。「口コミ」は、疫病の感染と同様に、顧客が潜在顧客に接触して、商品の評判(口コミ)を伝えることで新たな顧客を生み出す自己強化型構造のプロセスです。

商品をヒットさせたいなら、戦略によって自己強化型の構造を強め、早くティッピング・ポイントに到達することです。

一方で、疫病や不具合、疲労が増えるのは望ましくありません。

不具合によって故障や苦情が増えると、その対応に追われ、仕事が雑になり、ますます不具合が発生します。

ストレスと生産性の関係は、高めの目標設定など、ある程度までのストレスなら生産性が向上することが知られています。しかし、ストレスが強すぎると、あきらめ、精神疲労などで生産性が下がり、その結果ますますストレスを感じて生産性が激減します。ひとたびティッピング・ポイントを超えると泥沼の悪循環が待ち受けているのです。

悪循環の連鎖を断つには、まず自己強化型構造を弱めること。感染なら隔離、療養など接触機会を減らし、うがい・手洗いなどで感染確率を減らす。業務なら活動を休止・減少するなどです。

また、バランス型構造を強めるのも有効です。治癒を促す、ワクチンで免疫を作る。業務では、不具合を発生源で減らす、休養する、ストレスへの抵抗力をつけるなどです。
何よりも一番大事なのは、そもそも悪循環に陥らないこと。そのためには、どこにティッピング・ポイントがあるかを知って距離をとり、バラツキを吸収できる弾力性を持つことが肝要です。

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