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今日、組織・地域の場でも、越境する場でも、ファシリテーションの重要性の認識が高まっています。ファシリテーションとは、「グループによる知的相互作用を促進する働き」であり、グループによる問題解決、知識創造や合意形成を促進する技術として、組織開発、イノベーション創造、社会変革までさまざまな場面で活用されています。
ファシリテーションの分野において、世界で最も注目されているファシリテーターがアダム・カヘン氏です。カヘン氏は、1990年代、南アフリカでのアパルトヘイト政策後の黒人政権への移行、コロンビアでの停戦合意やグアテマラでの内戦後の復興など、さまざまな難しい課題に取り組むステークホルダーのグループのファシリテーションを務めて、「対話」手法の主流化に貢献し、「伝説のファシリテーター」とも言われました。
カヘン氏の進化はそれだけにとどまりません。2000年代になって、U理論などの変容メソッドを意図的に採り入れて、企業、NGOなどのセクターを越えて食料システムの変容に取り組むサステナブル・フード・ラボをはじめ「ソーシャル・ラボ」のムーブメントを起こします。また、近年では気候危機に対する「ラディカル・コラボレーション」を提唱・推進するなど、ファシリテーションの分野の最先端を切り拓いてきました。そして2022年、シュワブ財団の「ソーシャル・イノベーション思想的指導者2022」に選ばれるなど、ファシリテーターとしての功績を積み重ね、その理論の実践にもっとも影響力をもつ達人と言えるでしょう。
カヘン氏は自分自身の実践から、新しいファシリテーション理論をまとめ、新刊『共に変容するファシリテーション』は出版しました(日本語訳2023年1月発刊予定)。この本に関して、カヘン氏は以下のように紹介します。
「人々が共に前に進むことが難しくなっている。ファシリテーションはその一助となるはずだが、最も一般的な2つの方法論、すなわち、全体の利益のために全員の利益を従属させる方法(垂直型)と、全員が自分のことをできるようにする方法(水平型)は、どちらも前進を阻むものだ。この2つのアプローチの間を行き来しながら、誰もが公平に、貢献し、つながることを妨げる障害を取り除くことが、新刊で紹介する「変容型ファシリテーション」である。この新しいアプローチは、経営者、マネジャー、コンサルタント、コーチ、会議主催者、調停者、利害関係者、友人など、人々が共に働くことを支援し、ファシリテーションを行うすべての人にとって貴重なものとなるだろう。」
新刊では、従来からあった垂直型と水平型と対比しながら、変容型ファシリテーションの特徴を説明します。コラボレーションのプロセスにおける重要な5つの問いに対して、垂直型と水平型での制約と、それらの制約を突破する「10の動き(所作)」について解説します。その動きを可能にするのが、ファシリテーターの5つの内面のシフト、注意の払い方があります。以て、垂直型と水平型のそれぞれの長所を活かしながら、その短所を抑え、個とグループと、そしてより大きな社会システムの変容を可能にするのが変容型ファシリテーションです。
人々が協力して変革をもたらすのを支援する変容型ファシリテーションは、従来にはなかった強力なアプローチです。この体験型ワークショップ・セミナーでは、アダム・カヘン氏が、この変容型ファシリテーションの基本を参加者に指導します。少人数グループでの練習とアダムとの全体対話を通して、以下のことを学びます。
- グループプロセスの5つの問いに焦点を当て、コラボレーションを促進させる。
- これらの問いに答えるために、垂直型と水平型のファシリテーション・アプローチの間を流動的に循環させる。
- 垂直型と水平型の間を移動する必要があるとき、その合図となる「tell tales(船の帆につけられた風向き表示リボン)」を見極める。
伝説級のファシリテーターから直接学び、そのあり方を目の当たりにできるまたとない機会です。さらには、日本国内でファシリテーションを実践する人たち、あるいはその可能性を信じ学ぼうとする人たちが集いますので、互いに、共に、学ぶこともできるでしょう。日本に求められるこれからの社会変容を引き起こす可能性の満ちた場を一緒に共創しませんか?
下記の詳細をご覧になった上で、参加を決断される方は下記申し込みにお進みください。また、ご質問、ご相談したいことがありましたら、下記までご連絡ください。
seminar@change-agent.jp チェンジ・エージェント(担当:板橋、岩下、小田)
皆様のご参集をお待ちすると共に、日本での対話、ソーシャル・イノベーションの広がりを心より祈念してこの企画をお届けします。どうぞよろしくお願いします。
プログラム
2023年3月10日(金)19:00-20:45 |
第一部 講演編:「共に変容するファシリテーション」(現地またはオンライン) |
新刊『共に変容するファシリテーション』で提唱する変容型ファシリテーションについて、アダム・カヘン氏による講演、引き続いての質疑応答とミニ討議を行います。 ワークショップは集合形式となりますが、前日夜に東京の会場に来ることが難しい方には、オンライン参加の選択肢を用意します。 |
2023年3月11日(土)9:30-17:30 |
第二部 ワークショップ編:「共に変容するファシリテーション」(集合形式) |
5つの中心的な問い <昼食休憩(13:00-14:00)> |
※第二部の体験型ワークショップの参加の条件として、前日の第一部講演にご参加下さい。講演で紹介される内容を理解している前提でワークショップは開催されます。第一部は、オンラインでの参加も可能ですので、集合で1日目夜のご参集が難しい方も、オンラインで必ず参加いただけるよう、お願い申し上げます。
対象
- ファシリテーションや場づくりに携わる方
(本セミナーの主眼は、ファシリテーターのあり方と所作を鍛えることにあります)・ - 部署あるいは組織を超えて多様な他者たちと働く必要がある方
- 企業の経営者・経営企画などに携わる方
- 官公庁・行政で企画などに携わる方
- 社会や環境課題に取り組むNPOや財団等に務める方
- 人事・組織開発に携わる方
- その他、変化の担い手を志す人
講師・ファシリテーター
アダム・カヘン(Adam Kahane)
レオス・パートナーズ、ディレクター
人々が最も重要かつ困難な問題に対して共に前に進むことを支援する国際的な社会的企業であるレオス・パートナーのディレクター。レオスは、互いに理解、同意、信頼がない関係者の間でも、最も困難な課題に対して前進できるようなプロセスを設計し、ファシリテーションを行う。
アダムは、企業、政府、市民社会のリーダーが協力してこのような課題に取り組むためのプロセスの組織化、設計、推進を行う第一人者である。これまでに50カ国以上、世界各地で、経営者や政治家、将軍やゲリラ、公務員や労働組合員、地域活動家や国連職員、聖職者や芸術家などと協働してきた。
1990年代にロイヤル・ダッチ・シェル社においてグローバルな社会、政治、経済、技術のシナリオを作成するシナリオ・プラニングのチーム責任者として活躍。1991年~1992年にアパルトヘイトによって分断されていた多様な人々が集い、民主化への移行を実現するために南アフリカで実施された「モンフルール・シナリオ・プロジェクト」のファシリテーターを務める。
この経験を基に、「変容型ファシリテーション」や「変容型シナリオ・プランニング」などの方法論を開発。さらに、「ソーシャル・ラボ」「ストレッチ・コラボレーション」「ラディカル・コラボレーション」などのさまざまな手法を開発し、以後アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカ、オーストラリアなどでセクター横断的な対話と行動のプロセスの支援を実践している。
アダムはカナダ勲章を受章。2022年、ダボスの世界経済フォーラムで、シュワブ財団の「ソーシャル・イノベーション・ソートリーダー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。
【著書】
- 『共に変容するファシリテーション』(原題:『facilitating Breakthroughs: How to Remove Obstacles, Bridge Differences, and Move Forward Together』)
- 『敵とのコラボレーション――賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法』(原題:『Collaborating with the Enemy: How to Work with People You Don't Agree with or Like or Trust』)
- 『社会変革のシナリオ・プランニング ‐対立を乗り越え、ともに難題を解決する』(原題:『Transformative Scenario Planning: Working Together to Change the Future』)
- 『未来を変えるためにほんとうに必要なこと ‐最善の道を見出す技術』 (原題:『Power and Love: A Theory and Practice of Social Change』)
- 『手ごわい問題は、対話で解決する』(原題:『Solving Tough Problems: An Open Way of Talking, Listening, and Creating New Realities』)
小田 理一郎(Riichiro Oda)
有限会社チェンジ・エージェント 代表取締役
米国オレゴン大学経営大学院経営学修士(MBA)修了。人や組織が自律的に目的を達成する効果的な仕組みをつくるための組織変革のスキルを2年間の米国留学で学び、多国籍企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発などさまざまな分野で業務・組織変革の実践に取り組む。2002年、企業の社会的使命の追求と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング提供のため独立、その後米国で法人化。2005年には、日本で有限会社チェンジ・エージェントを設立。人材育成、組織開発、チェンジ・マネジメントのための研修、コンサルティング、ファシリテーション、講演、執筆に従事している。2008年よりピーター・センゲ氏設立のSoL(組織学習協会)の日本コミュニティを設立し、日本での組織学習実践家たちのコミュニティを運営し、2012年よりグローバル組織での理事を務める。著書に『学習する組織入門』『マンガでやさしくわかる学習する組織』等、共訳書に『社会変革のシナリオ・プランニング』『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』『学習する組織』『システム思考』など。
【主な著書】
- 『学習する組織入門』
- 【主な訳書、解説書】
- アダム・カヘン著『社会変革のシナリオ・プランニング ‐対立を乗り越え、ともに難題を解決する』
- ピーター・センゲ著『学習する組織 ‐システム思考で未来を創造する』
- ドネラ・メドウズ著『世界はシステムで動く ‐いま起きていることの本質をつかむ考え方』
- デイヴィッド・ストロー著『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』
開催概要
日程
【「共に変容するファシリテーション」第一部講演編】
2023年3月10日(金)19:00~20:45
※【第一部講演編】はオンラインでの参加も可能です。
【「共に変容するファシリテーション」第二部ワークショップ編】
2023年3月11日(土)09:30~17:30
※【第二部ワークショップ編】のみの参加は受け付けておりません。第一部講演編に出席することが条件となります。
会場
都内会場(東京都港区:JR田町駅より徒歩5分ほど予定)/(第一部のみオンライン参加も可能)
定員
48名(申込先着順)+ あしながスポンサー
- 一般公募枠 40名(申込先着順)※残席わずか
NPO公募枠 5名(申込先着順)※定員に達しましたので、募集を締め切ります。奨学生枠 3名(別途告知予定、あしながスポンサーを募集しております)※募集を終了いたしました「あしなが」枠 3名(申込先着順、ご自身の参加費と奨学生1名分の参加費を負担)※募集を終了いたしました
※ご入金後の受講票の発行をもって本申込とさせていただきます。
※「あしなが」スポンサー制度による奨学生は弊社による募集審査で選定となることご了承ください。
参加費
一般枠 |
160,000円(税別、税込176,000円)※残席わずか |
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「あしなが」枠(ご自身と奨学生1名分の参加費を負担します) |
270,000円(税別、税込み297,000円) |
※恐れ入りますが振り込み手数料はご負担ください。
※NPO枠でご参加をご希望の方は弊社基準に基づき審査をいたしますので、
お申込み時に該当欄にチェックをお願いいたします。審査に必要事項をご案内します。
キャンセルポリシー
開催日を含む15日前まで:返金手数料を除いた全額返金
開催日を含む14日前から8日前まで:参加費の50%申し受けます
開催日を含む7日前から当日:参加費の全額申し受けます
※15日前:2月22日17:00、8日前:3月2日17:00とさせていただきます。
その他
- 必ず両日の全時間参加いただくことが条件です。
- 招聘講師は英語で話しますが、同時通訳または逐次通訳がつきます。
- 参加者による撮影、録音はお控えください。3月10日の講演は、同日オンライン配信されるほか、後日録画の配信が予定されていますので、予めご了承ください。
- フライヤーのダウンロードはこちら(coming soon)
主催・協力
主催: 有限会社チェンジ・エージェント
協力: 英治出版株式会社、レオス・パートナーズ(Reos Partners)
協賛
お申込み
以下のフォームに必要事項をご記入の上、お申込みください。
ご入金確認を持ちまして正式な受付となります。その後、受講票と詳しいご案内を電子メールでお送りいたします。(※フォームからの送信ができない場合は、大変お手数ですが事務局 seminar@change-agent.jp まで以下の申し込み票の項目をご記入いただき電子メールでお送りください。)
※受付確認後、振り込み口座をお知らせいたします。入金確認(受講票メール送付)を持ちまして正式な受付となります。
※領収書が必要な場合は備考欄にお書き添えの上、ご相談ください。
※お申し込み後、一週間たちましても返信が届かない場合は、インターネットの送受信にトラブルがあることも考えられます。特に、Gmail転送サービスなどをご利用の場合、Gmailの仕様変更により、メールが不達となる事象が複数発生しました。上記遅延がございましたら、ご一報いただけますようお願い申し上げます。
お問い合わせ
有限会社チェンジ・エージェント 担当:板橋、岩下、小田
東京都台東区浅草橋1丁目19-10 PF浅草橋ビル 5F
TEL: 03-5846-9660 FAX: 03-5846-9665
EMAIL:seminar[@]change-agent.jp
※メール送付の際は[@]を@に変換ください
公開日:2022.12.16
更新:2023.1.16 協賛企業を追加致しました。
更新:2023.2.10 会場情報を追加しました。