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システム思考入門(5) 「システム思考の特徴とメリット(1)」

最大のメリット「新しいものの見方」を提供するシステム思考

社会や組織など私たちをとりまくシステムは、さまざまな要素がつながって、複雑に絡み合っており、常に変化しています。私たちが変化を起こそうとすると、しばしば予期せぬ結果や抵抗が起こります。では、そのようなシステムの中で、どのようにすれば望ましい変化を起こせるのでしょうか? システム思考は、まさにその問いに答えるために開発されました。

システム思考を学ぶ最大のメリットは、世の中のものごとを見る新しい視点が得られることです。そのことにより、状況や問題を大局的に把握し、関係者間の共通理解を促進し、バランスのとれた問題解決が可能となります。何回かに分けて、詳しく説明しましょう。

なぜ、新しい視点が必要なのでしょう?

私たちの考える「世の中」は、必ずしも真実の「世の中」ではありません。私たちは、まるで各人それぞれのメガネをかけているかのように、それぞれの世界観(システム思考では「メンタル・モデル」と呼びます)を通して「世の中」を見ています。「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」という川柳に表れているように、私たちのメンタル・モデルは、期待や恐怖、今までの経験・知識、先入観などに大きな影響を受けており、私たちはそのメンタル・モデルで解釈したものを「世の中」であるととらえています。

たとえば、1990年代初頭にアメリカ自動車市場に「スーパーストア」と呼ばれる中古車流通の大きな全国販売網が出現しました。このとき、GMなど自動車メーカーのビッグ3は中古車販売店をとるに足らないものと考えていました。それまでの常識では、中古車は古く性能も低いために、中古車市場は、新車を買う顧客層とはまったく違うセグメントの市場と考えられていたからです。

言い換えれば、自動車メーカーの経営者のメンタル・モデルでは、中古車の市場は新しい自動車を販売するメーカー・販売店にとっての「世の中」の境界の外に置かれていたのです。しかし、そのことが後になって経営者の予想もしなかった脅威につながっていきます。私たちがどのようなメンタル・モデルを構成しようとも、現実のシステムはそれとは違っていることがままあるのです。

スーパーストアの出現がどのような影響を与えるのかを理解しようとしたGMの経営陣は1995年に「システム思考家」(Systems thinker)にアドバイスを求めました。システム思考家は、経営陣のインタビューをして経営陣のメンタル・モデルを明らかにするとともに、その思考と現実に起こっていることとのギャップを明らかにしました。

システム思考の診断から、現実の世界では、新車の販売促進のため買い替え需要を喚起するリース販売戦略が、中古車市場へまだ新しく性能の高い「新古車」の大量供給と大きく結びついていたことがわかりました。つまり、新車の買い替えが早く、たくさん起これば起こるほど、中古車の品揃えや品質は充実し、それが今まで新車だけを選んでいた消費者にとってとても魅力的な選択肢を作り出していたのです。このつながりを見逃していた大手自動車メーカーは、その後の中古車スーパーストアの躍進を看過するばかりか、その成長を助けるような販売促進策を取り続けていたのでした。

視野を広げ、私たち自身の"思い込み"を明らかにするシステム思考

このように、システム思考のツールを用いると、私たち自身のメンタル・モデルを明らかにすることができます。目に見えるようにすることで、私たちが無意識にどのような「境界」線を引いているか、要素と要素の結びつきをどのように考えているかが明らかになります。ひとたび自分自身のメンタル・モデルが明らかになると、現実の「世の中」や自分たち以外の関係者の思考との比較もできるようになり、また、自分の視野をもっと広げることもできます。

私たちが学校や職場で培ってきた思考法は、システムの複雑さを理解するのに適したメンタル・モデルを提供してくれません。ある人は、目の前の問題解決策に直感で飛びついてしまうでしょう。

またある人は、ものごとを切り分けて見る―つまり「分析」して、問題に対処しようとします。それ自体はとても大切なことです。しかし、複雑な要素を細かく分けて整理して、問題の原因や対策、手段の一部を切り出し、「問題はこうだから、こうすれば解決される」と考えて取り組んでも、その行動が市場や組織に与える影響はそれほど単純ではありません。私たちのメンタル・モデルでは思いもよらないことが起こるのです。

システム思考を習得して、大局的なものの見方を手に入れよう

システム思考を学ぶ大きなメリットは、複雑なシステムを大局的に把握するものの見方を習得できることです。システム思考の視点を持つと、丘の上から眼下の地形を眺めるように、問題の全体像やつながりを見渡すことができます。そこで、目の前のことに飛びつかず、まず立ち止まることができます。現在の自分のメンタル・モデルや分析的思考の弱点を認識することができ、そしてより重要なことには、状況や「世の中」に効果的な変化を創り出すことができるチャンスを見出すことができるのです。

(事例参考:John Sterman "Business Dynamics--Systems Thinking and Modeling for a Complex World")




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