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バラトン合宿~システム規模の変化を創るのに必要な5つの大事なこと

2011年09月09日

 先々週来、メーカー、商社、市役所、大学などでの一連の研修を行い、東京と福岡では対話イベントを行いました。研修終了時のチェックアウトでは、参加者の多くが
気づきの状態の広がりを実感させるコメントを語ってくれました。対話イベントには、天候が悪かったにもかかわらず、数多くの方が来て下さって、「学習する組織」につ
いてそれぞれの方が熱く語る様子をしみじみとうれしく思いました。

怒濤のような2週間を終えて、今、ハンガリーに向かう飛行機の中です。世界のシステム思考家・実践家が年に1回、ハンガリーはバラトン湖畔に集う「バラトン合宿」に参
加するためです。

枝廣は10年目、小田は6年目の参加となるこの合宿では、東西のシステム科学者たちと社会システムの中で変化を創り出そうとする実践家・活動家たちが集い、科学、政治経
済、心理、コミュニケーションなどのさまざまな側面から地球規模の課題をシステム的に捉え、どのような政策やイニシアチブが有効であるかについて議論します。

発足以来、30年目を迎えるこの合宿は、まさに「学習する組織」を体現する実践コミュニティであると実感します。洋の東西、南北から多様な人が集い、さまざまな視点から
議論をして、ものごとを多面的に捉えます。実に長い視点でものごとがどのように展開していくかを推し量り、介入がもっともインパクトをもたらすレバレッジ・ポイントを
見いだそうと知的な議論が繰り広げられます。

ある国の視点でうまくいった施策が別の国ではうまくいかない現実に、文脈の重要性に気づかされます。また、途上国での成功体験から、先進国が有する前提についての再考
が促され、思いもしなかったような発見につながったりします。そうした体験を通じて、正解のない課題に対して、気づきの状態が広がり、ビジョンが研ぎ澄まされ、そして実
現に向けての自分自身の力に磨きがかかります。そして、一緒に議論した人々との絆が、自分一人ではないという実感につながり、100倍もの勇気を与えてくれます。

亡きドネラ・メドウズは、現代社会の複雑で大きな課題を乗り越えてシステム規模の変化を起こすには、「ビジョンを抱く」「ネットワークを広げる」「真実を語る」「学ぶ」
そして「慈しむ」ことと教えてくれました。

今年もまた、学習と慈愛に満ちたこの合宿で、自分自身の活動の源を明確に感じ取りに出かけてきます。

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