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シナリオ手法(シナリオ・プランニング)と組織学習

「シナリオ手法(シナリオ・プランニング)」で柔軟な人材・組織をつくり、よりよい未来の結果を出す

複雑に変化する今日、組織の本質的な競争力の源泉は、学習能力にあるといえるでしょう。シナリオ手法(シナリオ・プランニング)は、戦略的な文脈の中で個と組織の学習能力を高めるベスト・プラクティスといえるでしょう。

シナリオ手法(シナリオ・プランニング)は、国際的な石油会社ロイヤルダッチシェルが、第一次、第二次石油ショックの際、世界各国のマネージャー層が、原油供給の大幅な減少や原油価格高騰・暴落に「備えること」に成功し、業界でのシェアを飛躍的に伸ばしたことで一躍有名になりました。

シナリオとは、未来のストーリーであり、マイケル・ポーターは「未来がどのように展開しうるかについての内部一貫性をもった世界観」と定義しました。それは、予測ではなく、将来起こりうる一つの未来へ至る筋書きです。複雑な環境下においてシナリオは一つではなく必ず複数あるものですが、人はとかく自分に都合の良いシナリオばかりを見がちです。多くの戦略の失敗の原因は、ただ一つの予測・前提に頼っているためといっても過言ではないでしょう。

したがって、シナリオ手法(シナリオ・プランニング)の目的は、預言者のように未来を当てることでも、自分たちに望ましい未来ばかりを描くことや都合の良い未来シナリオを選ぶことでもありません。未来にはあらゆる可能性があり、本来、人や人が集まった組織には、その可能性に対応することのできるポテンシャルがあります。このポテンシャルを最大限に発揮し、変化への対応ができる人材、組織をつくることでよりよい未来の結果を出すことこそが目的です。

組織内に「未来の記憶」を築く

シナリオ手法(シナリオ・プランニング)がシェルによってビジネス界に導入されて以来、欧米ではさまざまな組織で活用され、手法そのものも進化をしていきました。

当初シェルでは、シナリオの焦点となる組織の課題を起点に、マクロの外的環境についての複数のシナリオを描き、その複数シナリオに対して戦略選択肢を検討する手法が採られました。例えば、シェルでは石油資源枯渇やソ連崩壊などの、起こりうるが通常想定しないような未来のグローバル・シナリオを数ヶ月にわたる広範な調査や専門家への聞き取りで策定し、各事業部のマネージャーがシナリオに対して自社の戦略選択肢がどれくらい堅牢かを検討しました。それによって、さまざまなリスクの洗い出しやその予兆の把握、対応の仕方をシミュレーションし、組織内に「未来の記憶」を築いたのです。その結果、事業環境の激変状況でも現場での迅速な対応が可能となって、業界6位からトップへと躍進しました。

1990年代、アパルトヘイト政策の終焉を迎えつつあった南アフリカでは、外的環境だけでなく、さまざまな当事者たちのそれぞれのアクションがどのように政治・経済・社会環境と相互作用し、未来が展開されるかのシナリオを検討しました。「モンフレール・シナリオ」と呼ばれるこのシナリオは関係者間の相互理解を促し、捉えづらい複雑なシステムの共通言語を築いていきました。また、4つのシナリオの一つは、利害関係者にとっての共有ビジョンとなり、その後の政策の青写真ともなりました。

トランスフォーマティブ・シナリオ・プランニング

今日の課題は、一企業はおろか、民間セクターだけでも、政府セクターや市民セクターだけでも解決できないものが多くあります。こうしたシナリオ手法(シナリオ・プランニング)はさらに、マルチステークホルダープロセス(多様な利害関係者によるプロセス)の文脈で活用され、対話や組織学習の方法と統合し、「トランスフォーマティブ・シナリオ・プラニング(訳注:システム変革を促すためのシナリオ手法(シナリオ・プランニング))」と呼ばれるようになっています。

さまざまな形式に発展してきたシナリオ手法(シナリオ・プランニング)において、どのように外的環境や当事者のアクションを組み入れるかはケースバイケースですが、いずれにも共通する中核的な学習プロセスがあります。

● シナリオがどのように展開するかについて、要因のレベルで見るのではなく、それぞれの要因がどのようにつながり、展開するかの体系、つまりシステムのレベルを見ること。

● 複数のシナリオを策定することを通じて、日常の行動や意思決定の奥底に潜むメンタル・モデルを表出化して検証すること。

● 個々人が望ましいと思う未来と、ありのままに見た現実とのギャップから生じる「創造的緊張感」を保持し、それぞれの自己変革を促すこと。

● 誰にでも理解し、語れる「ストーリー」として取り扱うことで、多くの関係者を巻き込んだ対話を展開し、戦略的に重要なシステム、メンタル・モデルについての相互理解を図ること。

● シナリオが複雑なシステムについての理解を促す共通言語となり、シナリオまたは戦略の検討の中で組織や事業について多面的かつ具体的な共有ビジョンを築くこと。

変化や不確実性が少なく利害関係者間の対立がない環境下であれば、特定の戦略やアクションが導かれ、その実行に努めることで結果が出るでしょう。しかし、複雑性が増した今日の事業環境では、さまざまなシナリオを踏まえた一つの計画だけでなく、上述のような学習を踏まえた個人や組織の能力向上こそが最大の備えであり、またよりよい結果の可能性を高める最良の道筋といえます。

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