今年13回目となる「実践における真のリーダーシップ(Authentic Leadership in Action)」会議に参加するため、カナダのハリファックスに来ています。北米、そして欧州やアジアから、経営者や人材開発・組織開発の責任者やファシリテーター200人ほどが、リーダーシップ開発や組織開発の実践を学ぶために集まっています。

会議は礼と座禅に始まり、礼と座禅で終わるほか、右脳的なワークや体感・体現のワークが多く採り入れられ、頭の理解だけではなく、心、体との統合を重視しています。ピーター・センゲ氏の『学習する組織』でも、稲盛和夫氏が潜在意識を活かすことで複雑な状況に対処する能力を拡大させているエピソードを紹介しています。この会議の主題である真のリーダーシップの基本は、迷いや混乱をおそれるのではなく、それらを受け容れて手放し、複雑な現実をありのままに捉え、叡智にアクセスすることの日々の実践にあると考えています。

また、心の疎通性を高めるだけでなく、一流の講師陣によって紹介される具体的な手法も、近年実践上注目されているものが数多くあります。例えば、「変革のためのシナリオ・プラニング」は、複雑な課題に対してマルチステークホルダーでの対話を進めながら、創造的なビジョンや戦略を導き出す手法です。また、発達心理学をリーダーシップや組織開発に応用した「実践における、実践のための探求」は、リーダー育成や組織開発の場面で数多く実践され、「学習する組織」
や「インテグラル理論」のわかりやすい導入として使い勝手がよさそうです。

こうした手法を日本に紹介し、システムのレベルで変革を実現できるリーダー開
発に活かしていきます。