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今年行われたリーダーシップに関する夏合宿で、ビル・トルバート氏と会いました。トルバート氏は、「Action Inquiry」と呼ばれる一種のアクション・ラーニングを提唱、実践し、自らが学長であったボストン大学ビジネススクールを始め、さまざまな組織改革・リーダーシップ改革に携わり、輝かしい実績を残してきました。

お会いしてまず、スキンヘッドの大男の出で立ちからは想像もできないような繊細さにびっくりしました(私のメンタル・モデルが出てしまっていますが)。ポロシャツに短パンでファシリテーションしたり、大きなバイクに乗せてもらって大きな擦り傷をつくって登場したり。一緒にいた感覚は、とても親しみやすく、場を和ませてくれる方でした。

Action InquiryのActionは行動・実行、そしてInquiryは探求・内省です。結果を効果的に生み出す「行動」のための能力が備わっているかを探求しては学習し、学習してはそれが行動となって結果を生み出しているかを問います。

いわば、動と静、火と水のように反対の性格をもった2つをあわせた実践は、「学習する組織」とも重なります。行動は息を吐いている状態、探求は息を吸う状態にもたとえられます。息を吐き続けるだけでも続かないし、息を吸ってばかりでも何の変化も起こりません。行動と探求をタイミングよくかけあわせ、時として交互に、時としてリアルタイムに同時に実践していきます。

Action Inquiryもまた、外的な動機付けには頼らず、自らの腑、心、魂に耳を傾けながら、内からほとばしる力を原動力とします。何を言うかではなく、何を行うかが、自分の内から望むありたい姿や望む結果と整合しているかの探求であり、結果としてリーダーシップの源泉は自分自身の中にもつことになります。これもまた、学習する組織の5つのディシプリンを統合した実践手法のひとつといえるでしょう。

私たちは、息を吐いてばかりでなく、深く吸い込むような探求を実践しているでしょうか? 自らの心や魂に耳を傾け、現実の難しい課題との間でも自らを分離・分断しないような行動、生き方ができているでしょうか? 探求はつきないものですが、だからこそ、日常の中で探求をする場や機会をつくるインフラを組織としても個人としても築く必要があります。

今後Action Inquiryのより詳しいご紹介もしていきます。どうぞお楽しみに。

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