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【開催レポート】サステナブル・フード・ビジネス研究会第4期 7月11日「世界の食料サプライチェーンでの企業取り組みの現況と課題~SFL/SAIリーダーシップ・サミット2013からの報告」セミナー

2013年07月29日

国際的な原油価格や農産物の価格が高騰するなか、食料の多くを海外に頼る日本でも、水リスクや調達のリスクがすでに顕在化しています。果たして、今の食料システムは存続しうるのでしょうか? 食に関わるビジネスにはどのような影響があるのでしょうか?

日本ではあまり知られていませんが、世界では、現在必要とする食糧をまかなうだけの農業や食糧供給を確保し、さらに将来の需要に備えて世界の食糧供給能力を増強することを目指す企業や市民によるプロジェクトが動いています。その代表的な存在が「サステナブル・フード・ラボ(SFL)」と「持続可能な農業イニシアチブ(SAI)」です。

2013年4月に開催されたSFL/SAIサミットで、食の持続可能性に関する世界の動きについて、日本から唯一の参加者となったチェンジ・エージェント小田が、会議で報告/議論された世界の食料業界の最新のサステナビリティ概況と課題について報告しました。

SFL4.jpg(講師/ファシリテーター 小田理一郎)


・・・・・・・・・・・・・・・・1部 SFL/SAIリーダーシップ・サミット2013からの報告  

食料の問題単独の症状に対して、生産・加工・流通・消費のサプライチェーンを、経済・社会・環境といった要素の相互作用も含む全体像として捉えた上で、食料へのアクセス・入手可能性、安定性、食の持続可能性を理解する必要があります。そのような観点から世界の食料システムにすでに顕在化しているリスク、資源の喪失や食料の配分の問題に対するアクションで、世界的な協働の例としてSFL/SAIを紹介し、対話を行いました。

SFL3.jpg

SFLは、持続可能な食料システムを目指すマルチステークホルダーのNGO、SAIは持続可能な農業に対して支援する企業の集合体です。このようなコンソーシアムでは、ユニリーバや、ネスレなど食料にかかわる大企業など数十もの団体をメンバーに、メインストリームにも大きな変化を起こしてきました。そのようなチャレンジをどのように、実現してきたのか、例えば企業だけでは1部にコミットしているだけで全体では投資をささえきれないケースなど、政府、NGOとの具体的な協働のプロジェクトについて紹介しました。それらのプロジェクトでみられる、特徴的なアプローチ方法である「ランドスケープアプローチ」や、「リーダーシップ開発」などを事例とともに、ご紹介しました。

SFL2.jpg

また、今回のサミットで報告された、土壌劣化に対するものなど、あらたな問題意識や、多様な指標について紹介しました。指標には、農業における温室効果の排出量を測定する農地モニタリングのツール等があり、その他にも多様な指標ツールがつくられ実際に運用されています。ラーニングジャーニーでの視察の内容についても共有し、今後日本企業が直面しうる課題への問題意識が高まりました。こうした取り組みを知り、日本の文脈でどのように取り入れていくのかといった難しさもあるなかで、なにか、ヒントになるものを、お持ち帰りいただけたのではないでしょうか。


・・・・・・・・・・・・・・・・感想・問い

ダイアログでは、全体で感想を共有し、浮かんでくる問いを持ち帰りました。研究会で今後も取り上げていきたいポイントについても確認しました。
・日本で「サステナブルフードラボ」のような取り組みが、どれくらいビジネス化できるか
・有機の定義、サステナブルの定義
・ランドスケープアプローチを企業としてどうすすめるか
・経済的、社会的背景が違う中、日本の文脈でどのように捉えればよいか

SFL1.jpg


・・・・・・・・・・・・・・・・参加された方からの声

・チャレンジ・イメージの到達点がわかりました
・外食や小売の方もいると面白い
・ランドスケープアプローチを地域社会への取組で考えてみたい
・NGO・財団との協働について大変興味深かった。
・食のサステナビリティの課題を再確認でき、問題意識を整理していきたいと感じました。

・・・・・・・・・・・・・・・・第4期 サステナブル・フード・ビジネス 研究会オリエンテーション

サステナブル・フード・ビジネス研究会は2011年1月に第1期が立ち上がり、今年第4期を迎えました。
世界の最新情報を共有し、話しあい、学びあうコミュニティを築き、ビジネスとしてどのようにリスクを評価し、また、どのように効率的かつ「しなやかな」食料システムの構築の為に、ポジティブな変化のうねりを創るかという、
チャレンジです。

●研究会が目指すこと
・食のサステナビリティに関するビジネス上の課題への認識を高める
・食のサステナビリティに関する企業や関係者の動向、課題について知識を深める
・一社など、単独では解決できない問題を協働で解決していく道筋をさぐる
・日本の食・世界の食、そして事業継続に関してメインストームにたいしてポジティブなうねりを作り出す

●今後の予定

A.「食のサステナビリティと企業」連続セミナー
 第1 回(7/11) 「2013 年度サステナブル・フード・ラボの報告」 (終了しました)
 第2 回(9/12) 「貧困と企業」
 第3 回(11/7) 「気候変動・エネルギーと企業」
 第4 回(1/16) 「生物多様性(森・水・土・海)と企業」
 第5 回(3/13) 「価値共創企業」

B.「食のサステナビリティ」マルチステークホルダー・ダイアログ
 第1 回(8/8) 「フードロス」
 第2 回(10/10) 「世界の飢餓」
 第3 回(12/5) 「日本の里山・里海」
 第4 回(2/6) 「国際協力」または「震災復興支援」


・・・・・・・・・・・・・・・・次回 8月8日のご案内

次回の研究会は8月8日 18:00~20:30
「フードロス」をテーマにして、ワールド・カフェ・ダイアログを行います。

フードロスに対して、日本で具体的なアクションを行っているおふたりを、ゲストスピーカーにお迎えします。
FAOの企画官で、昨年の12月に発足したフードロス・チャレンジ・プロジェクトの発起人でもある大軒恵美子さん、食品企業からNPO法人のセカンドハー ベスト・ジャパンに転身し、食品ロスの発生する現場や賞味期限にまつわるサプライチェーンの商習慣見直しなどにも詳しい、井出留美さんにフードロスの現状、課題や具体的な取り組みについてお話を伺います。

「フードロス」の問題は単独の立場では解決が難しい課題です。多様な視点、知見を持ち寄り話しあい、問題の根本や、課題に対して私たちにできることを一緒に考える場が必要です。ポジティブな変化のうねりを作るチャレンジに是非ご参加ください。

●日時 2013年8月8日(木)18:00~20:30
●場所 日比谷周辺
●ゲストスピーカー
 大軒恵美子氏(国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所 企画官)
 井出留美氏 (セカンドハーベスト・ジャパン 広報室長・プロジェ
        クトマネジャー)
●ファシリテーター・モデレーター 
 小田理一郎 ((有)チェンジ・エージェント代表取締役)
●お問い合わせ
(有)チェンジ・エージェント 担当 岩下
 E-mail: infoca(アットマーク)change-agent.jp Tel: 03-5846-9660

●詳細、お申し込み方法はこちらから

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