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東洋思想から学んだチェンジ・エージェントたち(1)

「指導者になるには、まず、人間にならなくてはならない」2500年以上前に孔子はこう述べている。(中略)。残念ながら、リーダーシップに関するこうした考え方は、今日ではほとんど失われてしまっている。(『学習する組織』英治出版より引用)

ピーター・センゲ氏は書籍『学習する組織』の中で孔子の教えを引用しています。今回はその孔子の言行を記録した代表的な書物『論語』にまつわるストーリーとして、2024年に変わる新一万円札の肖像にも選ばれ、日本資本主義の父と謳われる渋沢栄一氏(旧字体:澁澤 榮一)のエピソードを紹介します。

『論語』の卓越した実践者だった渋沢栄一

企業の平均寿命は、大企業で40年、中小企業では10年ほどでしかないとも言われている現代において、渋沢栄一氏は、明治初期より今も続く大企業「みずほ銀行」「東京海上保険」「東京ガス」「日本郵船」「サッポロビール」「王子製紙」「東洋紡」など、500あまりもの会社の元となる設立に関わりその6割が現存しているとされています。そして同時期に「日本赤十字社」など600もの公益事業の設立、運営にも熱心に取り組んでいます。日本にそもそも「会社」のない時代にどのような志でその礎を築いたのでしょうか。そして多くの事業をどのようにして手掛け、導いたのでしょうか。

それを支えたのが『論語』の思想です。渋沢栄一氏は『論語』を座右の書とし、人生を通して精神と行動規範の柱として学びつづけた『論語』の卓越した実践者でした。『論語』は、中国・春秋時代に生きた儒教の祖である孔子とその高弟の言行を記録した書物です。古来より人間の倫理や道徳観を養う思想として学ばれ、現在に至るまで読みつがれきた中国古典の儒教を学ぶ上で最も代表的なものの1つです。

論語(倫理・道徳)と算盤(経済・ビジネス)の両立

論語というものと、算盤というものがある。これは甚だ不釣り合いで大変懸隔したものであるけれども、私は不断にこの算盤は論語によってできている。論語はまた算盤によって本当の富が活動されるものである。(『論語と算盤』角川ソフィア文庫より引用)

渋沢栄一氏は、70代で残した書籍『論語と算盤』でこのように記しています。「論語と算盤」は「倫理・道徳と経済・ビジネス」と読みかえて理解することができます。彼はこの一見かけ離れている2つを一致させることが重要だと考えていました。「論語と算盤」すなわち、「道徳と経済」の2つのバランスを取らないと本当により良い社会の発展にはつながらないと考えたのです。

20代の頃、パリ万博使節団として随行し欧州諸国の実情を見聞した渋沢栄一氏は、皆ですこしずつ資金を出し合いそこで得られた利益を社会全体で受け取れる合本組織(株式会社)の仕組みなど、西洋文明に触れ、様々な知見を得て感銘を受けました。そして特定の個人や家が利益を得るだけの私利私欲のための商売ではなく、皆が参加でき国民全体に利益を行き渡らせることができるシステムとして、日本初の株式会社を設立しました。

その後、先にも紹介した通り数々の会社や事業の設立に携わりますが、財閥を形成することは考えなかったそうです。一貫してビジネスの根幹に公益を重んずる道徳をおき、常に抱き合わせにすることが健全な社会の発展につながるという志を見失うことはありませんでした。

紀元前、激動する戦乱の世で生まれた『論語』の教えは時をこえ、幕末から明治維新という激しい変化の時代を生きた渋沢栄一氏の「ぶれない軸」として、生きる知恵となってそのリーダーシップを支える柱となっていました。今、私たちもまた先行きの不透明で複雑さを増すシステム的問題を抱えた変化の時代を生きています。『論語』や渋沢栄一氏の生き方は、現代にも通じる普遍的に重要な、変化の時代を生き抜くためのリーダーシップや、人間として組織としてのあり方について、知恵とヒントを示してくれるのではないでしょうか。

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(スタッフ:岩下)

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<参照文献一覧>『論語と算盤』(角川ソフィア文庫)、『現代語訳 論語(第二版)』(大道社)、『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」』(フォレスト出版株式会社)、『漫画版 論語と算盤』(株式会社講談社)、『世界が称賛する日本の経営』(育鵬社)、『なぜ今、世界のビジネスリーダーは東洋思想を学ぶのか』(文響社)、東洋と西洋の知の融合研究所H P

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