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ディヴィッド・ストロー「システム思考を広げるには」

(本記事は、『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』著者のディヴィッド・ストロー氏のブログ記事を翻訳してご紹介しています。)


最近、ある全米の慈善団体の幹部から次のように尋ねられました。

「システム思考は何年も前から存在しており、その価値を実感しています。しかし、多くの人はシステム思考を敷居が高く、難しいと感じています。どうしたらもっと多くの人たちに使ってもらえるでしょうか?」

彼女の質問に私に刺さるものでした。そして、システム思考の普及の障壁は何か、また、システム思考がもたらす多くのメリットをより多くの人に活用してもらうためにはどうすればよいのかを考えました。ここでは、5つの障壁と、それらを克服するための14の戦略を紹介します。

障壁1:システム思考が何であるか曖昧である

システム思考にはさまざまな流派があります。ほとんどの流派は、生命システム【訳注:人、人間関係、組織、事業システム、市場、コミュニティ、社会、文明など】がどのような挙動を示し、進化していくかについての一連の原理を共有していますが、人々がそれらを理解し、その効果を高めるために使用するツールという点ではそれぞれ異なっています。

エンゲージメント戦略:

○ システム思考の定義を明確にする。例えば、「望ましい目的を達成するために、相互に関連する要素のつながりを理解し、つながりを再編成する能力」のように。

○ 生命システムがどのように機能しているか、人々が一般的に使用している直線的な思考方法とはどのように異なるか、一連の原則を明確にする。

○ システムのパフォーマンスを分析し、改善するために使用する一連のツールを明確にする(例:因果ループ図法、ソフトシステム手法など)

障壁2:システム思考を単純化しすぎる、あるいは複雑にしすぎる

多様なステークホルダーを集めて話をしたり、システムの要素間の相互関係をすべてマッピングしたりするときに、すでにシステム思考を適用していると言う人がいます。しかし、さまざまなステークホルダーを集めたからといって、彼らが協働してくれるとは限りませんし、複数の相互依存関係を示すことが、必ずしも高レバレッジの介入策を特定するのに役立つとは限りません。

エンゲージメント戦略:

○ システム図を作成し、認識可能な行動パターンや基盤にある前提を明らかにすることで、人々がどのように、そしてなぜそのように活動しているのかについての一貫したストーリーを語る。

○ 人々の現在の努力が、いかにして知らず知らずのうちに自分自身の有効性や他者の有効性を損なっているかを明らかにすることで、システム全体の最適化に向けた動機付けを行う。

○ マップに基づいて解決策を特定し、それらをシステム的な変化の理論(セオリー・オブ・チェンジ)に統合する。

障壁3:システム思考とは何かを知っていても、どのように適用するかがわからない。

システム思考の原理やツールを知っていても、それを効果的に使ってパフォーマンスを向上できるとは限りません。さらに、解決策として「システム思考」を売り込むことは、人々に適用することへの抵抗感を抱かせます。なぜなら、システム思考の推進者がそもそも自分の問題を本当に理解しているのかどうか、正当な疑問を抱かせるからです。

エンゲージメント戦略:

○ システム思考の原則とツールをチェンジマネジメントのフレームワークに統合する。それによって、人々は変化のための強固な基盤を構築し、なぜそのように行動するのかを問うてより深く理解につなげ、何が最も重要なのかを明確に選択し、より統合された持続可能な道筋を設計することができるようになることを目指す。

○ なぜ最善の努力にもかかわらず今まで十分な成功を収めていないのかを問い、適切ならば、システム思考を導入することで、その問いの答えを導き出し、より効果的な解決策を見出す。

障壁4:人はシステム的に考えるように条件付けられていない。

私たちの脳は、利益を得るよりも損失を避けるように、変化をもたらすよりも現状を維持するように、長期的な結果よりも短期的な影響を重んじるように、そしてプレッシャーを受けたときには責任を取るよりも他者に責任を負わせるようにできています。さらに、私たちの教育システムや報酬システムは、全体ではなく部分を最適化することを好む傾向にあります。

エンゲージメント戦略:

○ システム思考を用いて、しばしば短期的なコストがあってこそ長期的な利益につながること、現状維持が思っている以上にコストがかかること、短期的な利益が長期的な損失につながること、現状に責任を持つことが自分の力と効果を高めることを示すことで、この条件付けを変容させる。

○ 子どもたちが喧嘩の悪循環に陥ってもそれを断ち切る方法を見出すように、システム的に考えることは子どもでも見つけられる本来自然な能力であることを示す。

○ 共有ビジョンやシステム思考などのアプローチを用いて、全体を最適化することがいかに人々の利益につながるかを示す。

障壁5:思考パターンを変えるには時間がかかる。

確かに、このような変化が起こるには時間がかかります。しかし、私たちの世界の相互依存性が高まっていることから、このような新しい考え方を育むことが求められています。

エンゲージメント戦略:

○ イノベーターやアーリーアダプターにシステム思考を紹介し、(システム内の)クリティカルマスを構築する。

○ 忍耐強く、粘り強く適用していく。

○ クリエイティブ・ラーニング・エクスチェンジ(Creative Learning Exchange)などが支援する幼稚園児から高校生までのカリキュラムで示されているように、次世代の人々にシステム思考のトレーニングを行う。



さらに詳しく知りたい方は、ディヴィッド・ストロー氏の著書『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』(英治出版、2018年)をお読みください。

2021年2-3月には、日本向けにディヴィッド・ストロー氏によるオンライン公演とワークショップを開催予定です。

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