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【開催レポート】サステナブル・フード・ビジネス研究会第4期マルチステークホルダー・ダイアログ (1) 8月8日「フードロスについて考える」~なぜロスがでつづけるのか、私たちに何ができるのか~

2013年09月12日

 「世界で生産される食料の3分の1が廃棄されている。」世界では9億人前後もの人々が飢えにあえぎ、食糧需給逼迫が強まるなか、近年世界各国でのフードロスへの関心が高まっています。日本でもまだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」が500-800万トンあります。

フードロスは企業にとって商品ロスによる経済的損失であると同時に、食べ物を生み出す基盤となる自然環境への必要以上の負荷をかける社会的損失にもなっています。中長期的にみると、やがて持続的な事業の継続が難しくなる日がくるかもしれません。

これらの問題について食料のサプライチェーンのさまざまな立場から、私たち一人ひとりにできることについて、話し合いました。

今回は元・FAO企画官大軒恵美子さん、NPO法人セカン ドハーベスト・ジャパン井出留美さんをゲストス ピーカーにお迎えして、フードロスの現状、課題や日本でもはじまっている具体的な取り組みについてお話いただきました

プログラム

第一部
  • フードロスの現状
  • セカンドハーベスト・ジャパン井出留美氏のストーリー 
  • フードロス・チャレンジ・プロジェクト大軒恵美子氏のストーリー
第二部
  • カフェダイアログ
  • 気づきの共有

第1部では、フードロスの現状について、大軒恵美子さん(国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所 企画官)概要をご説明いただきました。今後日本企業が直面しうる課題と、海外での取り組み事例を紹介いただきました。

(大軒恵美子氏 元国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所 企画官)

次に、井出留美さん、大軒恵美子さんそれぞれの、これまでのフードロス・食品ロスを削減するための活動について、ご自身のストーリーを通して感じたことを語っていただきました。私たちが我がこととして、問題をどのようにとらえ、行動したらよいのかヒントになる経験を示していただきました。

(井出留美氏 セカンドハーベスト・ジャパン 広報室長・プロジェクトマネジャー)

第二部では 食料サプラーチェーンの様々な立場から40人の参加者間でカフェ・ダイアログを行いました。(ファシリテーター: 小田理一郎)

フードロスというと、消費者や生産者、どの立場でも問題への加担の罪悪感や後ろめたさを感じていると認識が共有されました。そして、フードロスについて「ムダを減らすことはかっこ いいこと、気持ちのいいことだ」というポジティブな文脈で考えることが、解決への違った展開への風穴になるのではという発言が印象に残りました。

ダイアログを終え、最後に個人として、企業として「これから考えたいこと・やってみたいこと」を紙に書いて持ち帰っていただきました。一部を御紹介します。

スライド1.JPG

参加された方の声から

・立場の異なる人との対話で多くの気づきが得られました。フードロスの本質をもっと考えようと思います。

・メーカー側は消費者の意識が変わらないとフードロスが無くならないと思っているというお話をきき意外だった。(消費者=私は、メーカーや流通が変わらなければならないと思っていた。

・自分ごとにはなっていないと気づかされた。

・企業が取り組むトリガーは「ビジネスになるかどうか?」フードロスをなくす活動がビジネスとなる仕掛けを考えないとと思います。

次回 10月10日のマルチステークホルダー・ダイアログのご案内

次回の研究会「世界の飢餓」をテーマにして、ワールド・カフェ・ダイアログを行います。

テーマ:「世界の飢餓」 マルチステークホルダー・ダイアログ
ゲストスピーカー(予定):儘田由香氏(特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド) 及び他の専門機関の方に お話を伺って、多様な参加者によるダイアログを行います。是非ご予定ください。

●日時 2013年10月10日(木) 18:00~20:30
●場所 大手町駅周辺
●ファシリテーター・モデレーター 
 小田理一郎 ((有)チェンジ・エージェント代表取締役)
●お問い合わせ
(有)チェンジ・エージェント 担当 岩下
 E-mail: info@change-agent.jp Tel: 03-5846-9660

今後の予定

A.「食のサステナビリティと企業」連続セミナー

 第1 回(7/11)「2013 年度サステナブル・フード・ラボの報告」 (終了しました)
 第2 回(9/12) 「貧困と企業」
 第3 回(11/7) 「気候変動・エネルギーと企業」
 第4 回(1/16) 「生物多様性(森・水・土・海)と企業」
 第5 回(3/13) 「価値共創企業」

B.「食のサステナビリティ」マルチステークホルダー・ダイアログ

 第1 回(8/8) 「フードロス」(終了しました)
 第2 回(10/10) 「世界の飢餓」
 第3 回(12/5) 「日本の里山・里海」
 第4 回(2/6) 「国際協力」または「震災復興支援」

★サステナブル・フード・ビジネス研究会の会員を募集しております。
★会員以外の方の、単回でのご参加も可能です。(有料)

研究会へのご参加方法

サステナブル・フード・ビジネス研究会は2011年1月に第1期が立ち上がり、今年第4期を迎えました。
食関連事業者による学びあうコミュニティを築いて、世界の最新情報を共有し、話しあい、またビジネスとしてどのように自社のリスクを評価し、また、どのように効率的かつしなやかな食料システムの構築に向けてポジティブな変化のうねりを創るかという、チャレンジに向き合っています。

●研究会が目指すこと
  • 食のサステナビリティに関するビジネス上の課題への認識を高める
  • 食のサステナビリティに関する企業や関係者の動向、課題について知識を深める
  • 一社、業界単独では解決できない問題を協働で解決していく道筋をさぐる
  • 日本の食・世界の食、そして事業継続に関してメインストームにたいしてポジティブなうねりを作り出す

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