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世界のシステム・リーダー2 ヘンリー・フォード氏【後編】

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(image photo by Don O'Brien and Playing Futures: Applied Nomadology on flicker)

(前編はこちらからお読み頂けます。)

現在の製造方法は全て単に「実験的なもの」

システム・リーダーとしてのフォードに伺える2つ目の特徴は、全ての現在における戦略や方法を「単なる実験」と捉えていたことです。これが完璧だ、常識だ、というものなど無いのだということです。どんなに素晴らしい改善策に気づき、新しい方法を導入しても、それは全て単なる発展の段階であり、より良い方法を探るための実験である、ということを心得ていました。

その象徴として、同社による板ガラス製造方法の改革の例が挙げられます。ガラスの製造には様々な古くからの伝統があり、ガラスのもととなる粘土をこねる作業は、当時手作業なくしては不可能だと思われていました。もちろん、これらの作業を少しでも早くするために、機械が少しずつ導入されてはきていたものの、当時の機械の位置づけは、人間の手作業を少しでも代行する役目にすぎませんでした。そんな状況の中、フォードは「人間の手の代わりに機械を単に用いるというものではなく、全作業を機械によって行い、人間は機械の単なる付添人にする」と発想を変え、実現の可能性を探ります。何かを変える必要性に迫られたとき、伝統に捉われることなく、問題の根本は何かを原点に立ち返って検討することの大切さを、心得ていたのです。

こうして発想を新たにし、いざガラス製造過程の大きな改革に取り組む際に、もう1つフォードが大切にしていたことがあります。それは、長年その製造に関わってきた熟練工には指揮を任せない、ということです。彼らは、「できない」ことをあまりに知りすぎているからです。そのため、このガラス製造工程改革プロジェクトを任されたのは、ガラス工場で働いた経験のない人たちでした。その結果、予想外の障害に直面しながらも、ついに所期の成果を挙げ、ガラスの大量自家生産が可能となり、外部から購入するのに比べて年間300万ドルものコスト削減を実現することができたのです。

開拓者として生きる~フォードが教えてくれる「再定義・再創造」の姿勢~

さて、ヘンリー・フォードの生きた時代からその後はさまざまな転換がありました。黒一色の標準化したT型フォード社は、アルフレッド・スローン率いるGMの多様化戦略に敗れ、そのGMもまた柔軟な生産システムを培ったトヨタの前に大きな出直しを余儀なくされました。科学的経営手法を取り込んだとされる組織や生産の運営手法も、「機械システム的な世界観」の限界を露呈し、今は「生命システム的な世界観」にとって変わられようとしています。さらには、20世紀を形作ったともいえる大量生産、大量消費もまた、資源や生態系の限界へとぶち当たり、また過剰消費や過剰廃棄などの負の側面の方が目立ち、物質・量的な成長から、精神・質的な成熟へと繁栄の再定義が求められるようになりました。

しかしヘンリー・フォードの遺してくれた教訓は、こうした偉人が作り上げてきた成功の方程式をも、1つの実験の段階と捉え、見直していく努力をしていくことなのかもしれません。フォードは、大企業の使命は社会を繁栄させることだといいます。フォードの生きた時代の「繁栄」とは、「私たちの必要とするものが、容易に、とぎれずに供給されること」でした。では、私たちが生きるこれからの時代における「繁栄」の定義とは、なんでしょう。変わりゆく社会への洞察を深めながら、受け身ではなく開拓者としてシステムを創造・再創造していくことについて、私たちはもっと多くのことを学び、実践していくことが求められているのではないかと思います。

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