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アダム・カヘン氏講演 「合意できない人たちと未来を共創するには(中編)」

45442020_10155682075691782_8712736305517166592_n.jpg2018年11月1日(木)アダム・カヘン氏の新著「敵とのコラボレーションーー賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法ーー」出版記念講演会を開催しました。平日夜の開催にもかかわらず、300名近いみなさまに足をお運びいただき、大変ありがとうございました。

講演の書き起こし、前編 の続きです。


コラボレーションは唯一のオプションではない

私の主張はこうだ。もし多様な他者の関わる取り組みで成功したいと思うなら、2つのことを理解してほしい。1つは、コラボレーションは唯一のオプションではないということ。目の前の現状に問題があるとき、そこには4つのオプションがある。

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1つは、「強制」。ここ数日、小田理一郎や仲間たちと話していて、これと同じ意味の言葉が「義務化」だと気づいた。用いるのは、権威、お金、投票、思想、あるいは銃であるかもしれないが、共通するのは、相手の望みに関係なく、自分が望むような結果を生み出すことだ。単純だし、自然なことだ。これがうまくいくこともある。多くの人にとって現状に不満があるとき、強制はデフォルトの選択肢だ。うまく行かせるだけの力や能力があり、それを行使して、望む結果を実現する。ただ限界がある。私が力でモノゴトを進めようとすれば、相手も相手の思うようにモノゴトを進めようと押し返してくる。すると状況は行き詰まってしまう。

2つ目は「適応」。状況に満足していないが、それを変える力もない。だから、あるがままの状態を生きる方法を見つけることだ。これも明確な方法で、例えば、外が寒いという状況は変えられない。だからコートを着るといった風に。しかし、限界は、問題は耐えられないようなことが現実には起きることだ。メキシコの事例のように、このままでは暮らせない。生きていけないという状態だ。

3つ目が「離脱」あるいは「逃避」という。状況を変えることもできないし、やりたいように進めることもできない。かといって、現状のままで生きることもできない。そこで、そこから離れることを選ぶ。仕事を辞めたり、移民になったり、離婚したりする結果になることもある。あるいは、そこに問題がないかのように振舞うことも含まれる。これは、私たちを受け入れられない状況から解放してくれる選択肢だ。ただ、とても悲惨な結果として終わることもしばしばだ。

つまり、コラボレーションは4つのオプションの1つだということ。これを理解できて初めて、コラボレーションをしっかりと理解できるのだ。状況には不満足だが、「強制」も「適応」もできず、「離脱」もできない。こうして他者とコラボレーションすることこそが、最善の手段である場合にのみ、これを選ぶべきなのだ。コラボレーションにも限界はある。うまくいくかどうか分からないことだ。

コラボレーションの成功には何が必要か?

このことは、もうひとつ理解しなければならない問いにつながる。コラボレーションの成功には、何が必要か?

コラボレーションには、問題は何か、解決策が何か、どこへ向かいたいとか、何をすべきとか、全体の利益を重視しようとかいう合意と、そのための明確なレシピが存在している。そして、全体の利益のために、それぞれが何をすべきかを重視する。その通りだろう?

いや、違う。今のはテストのために尋ねたんだ。

このコラボレーションへの従来型アプローチの限界は、単純で調和した状況でしかうまくいかないことだ。対立があり、複雑で、コントロール不可能な状況では、こんな合意はできない。状況によって、これら従来型コラボレーションのあらゆるレシピは役に立たない。実際に役に立たなかった。これまでのやり方が、危険なほどに当てはまらない状況がある。

複雑で対立した状況でコラボレーションを成功させようと思うなら、この従来型コラボレーションという幻想を捨てなければならない。それどころか、その逆を行わなければならない。非・従来的で、不愉快なコラボレーションであり、「ストレッチ・コラボレーション」と呼んでいる。快適な領域の外側へストレッチしなければならないからだ。

チームが一緒に道を歩いているようなイメージではない。荒波の上をラフティングするボートのように、どうすれば良いのかを、実際に進みながら学ばなければならないのだ。複雑で入り組んだ状況の中で、唯一変えられるものは、私たち自身の行動だけだ。非・従来的で、不愉快なストレッチ・コラボレーションは、私たちが慣れ親しんだアプローチの正反対だ。状況に直面するということだ。

約束されているのは、私たちは不慣れな、複雑な状況の中で、友人や同僚、仲間だけではなく、敵とコラボレーションしなければならないこと。これが、ストレッチ・コラボレーションだ。


後編:コラボレーションに必要な3つのストレッチとは? 


アダム・カヘン氏の新著『敵とのコラボレーションーー賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法ーー』好評発売中です。

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アダム・カヘン氏は、南アフリカでの白人政権や黒人政権へのスムースな移行、さまざまな派閥間で暴力的抗争や政治腐敗の続いたコロンビアの近年の復活、互いに敵対しがちなセクター横断でのサプライチェーン規模の取り組みなど、対立や葛藤状態にある複雑な課題を、対話ファシリテーションという平和的なアプローチで取り組み、成果を残してきました。

世界50カ国以上で企業の役員、政治家、軍人、ゲリラ、市民リーダー、コミュニティ活動家、国連職員など多岐に渡る人々と対話をかさねてきた、世界的ファシリテーターが直面した従来型の対話の限界。彼が試行錯誤のすえに編み出した新しいコラボレーションとは?

職場から、社会変革、家庭まで、意見の合わない人と協働して成し遂げなくてはならないことのある、すべての人へ。相手と「合意」はできなくても、異なる正義を抱えたままでも、共に前に進む方法を記した新著です。

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