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学習する組織と東洋思想

先月8月29日に、「東洋思想から、リーダーとしての自分を振り返る(「論語」編)」として新コースセミナーを開催しました。東洋思想が改めて注目されている背景や学習する組織にも通じる点についてセミナーを通して学んだこと、感じたことを開催報告をかねてご紹介します。

数年前に、『学習する組織』の著者ピーター・センゲ氏へ小田がインタビューする機会を得ました。日本のリーダーへメッセージを話してくれた中で、次のような東洋思想の一説を紹介してくれました。

「リーダーであることは奉仕者であること」は、いまの世界でとても重要なことだと思います。(中略)この原則を簡潔に言い表している言葉が老子の『道徳経』にあります。老子はその中で「悪いリーダーとは人々が軽蔑する人。よいリーダーとは人々が尊敬する人。偉大なリーダーとは人々に『自分たちの力でこれをやった』と言わせる人」と述べています。これこそが究極の貢献で、リーダー自身の姿は見えません。その状況にいないも同然になっているわけです。」 cf.(1)

故スティーブ・ジョブズ氏が禅の思想に傾倒していたというエピソードも有名ですし、日本においては、京セラの稲森和夫氏が仏門に入ることを通じて、顕在意識と潜在意識の疎通性を高めることを学び、現代のもっとも卓越した経営者となりました。なぜ、国内外様々な分野のリーダーから東洋思想が熱い視線を集めるのでしょうか。

なぜ現代に東洋思想が求められているのか

変化の激しい、VUCA時代に私たちは複雑でこれまでの解決策だけでは、解決できない課題に日々直面しています。

ハーバード大学の、ロナルド・A・ハイフェッツ氏は、私たちの課題を2種類に分けて紹介しています。「技術的な課題」と「適応を要する課題」です。技術的な課題とは解決策が明確で、自分の外側にある課題についてあるスキルや技術を身につければ解決できる課題です。適応を要する課題とは、より複雑でこれまでの思考様式、成功体験に基づく方法では解決できない、自分自身の考え方、意識、内側の変容を伴う適応を必要とする課題です。cf.(2),(3)

今、私たちが頭を悩ませる組織や社会における課題の多くは様々な背景をもつ多様な関係者、文脈のなかで解決策を見出しにくい「適応を要する課題」ではないでしょうか。このような課題を前に、意識や、内側の変容を促すにはどのようにしたらよいでしょうか。今回のセミナーを通して、東洋思想にはそのヒントが豊富にあると感じました。

相対的にみると西洋は「外側にある真理にせまっていく」「外側にある対象に向かう」という真理探求方式を採る一方、東洋では「自分の中にある仏性、神的性に迫っていく」「内側にある対象に向かう」という真理探求の方式を採ると考えられています。 cf.(4)

自分自身の変容をせまられるような適応を要する、複雑な課題に直面する現代において、「内側・内面」の探求方式に根差した東洋思想があらためて注目されている一つの要因と考えられるのではないかと感じました。

学習する組織と東洋思想

20世紀は日本も含め世界が近代西洋思想の恩恵にあずかった時代です。ところが近代西洋思想の1つの特徴である機械論的、人間観や企業観、経済合理性の追求が行き過ぎてしまった結果、多くの人が行き詰まりを感じはじめています。

組織においても、西洋思想を背景に発展してきた経営用語の多くに、人や組織を歯車や取り替え可能な部品のように見立てる「機械論」的な世界観に根ざしているものが多く見られます。一方で学習する組織における組織観では、組織も人も生命システムであり、また、組織内で起こる相互作用もあたかも生きているシステムかのような挙動を示すものと見ます。そこに介入をする経営者、担当者、あるいはコンサルタントも、そうしたシステムの一部と捉えています。

機械論から生命システム論へ、要素還元からホールシステムへと見方を転換すること(あるいは両面から観ること)で、今までの効果を生まない自らの行動、思考、意識に気づき、より効果のある行動、思考、意識を共に創り出し、アプローチの効果を高めるのが、学習する組織です。cf.(5)

システムの内側、一部として、自身や集団の意識の変容と学習を促進し進化し続ける学習する組織のプロセスと「内側・内面」への探求方式をとる東洋思想には通じるものを感じることができました。

8月29日のセミナーでは東洋思想の「論語」を取りあげました。今後も東洋思想の教えを通して、西洋近代思想と東洋思想の融合や、これからの時代に必要なリーダーシップの基盤となるヒントを学び皆さんと探求していけたらと思います。

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(スタッフ:岩下)


<参照文献・参照URL一覧>

(1)ピーター・センゲへのインタビュー(4)リーダーたちへの提言
https://www.change-agent.jp/news/archives/000467.html

(2)『なぜ人と組織は変われないのか』ロバート・キーガン他著(英治出版)

(3)『最難関のリーダー・シップ』ロナルド・A・ハイフェッツ他 (著) (英治出版)

(4)『なぜ今、世界のビジネスリーダーは東洋思想を学ぶのか』田口佳史著(文響社)

(5)学習する組織のアプローチ
https://www.change-agent.jp/learningorganization/index.html

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