日時 | 会場 | 受付 | 申し込み |
---|---|---|---|
2025年 12月16日ー17日、2026年1月20日ー21日、2月17日ー18日 |
東京都内実地(JR水道橋駅、地下鉄日本橋駅、JR神田駅周辺) | 募集中 | 申し込みページ |
社会的インパクト・マネジメントへの期待
環境問題、社会問題、そして貧困や格差などの経済問題など、私たちの周辺には未だ数多くの社会課題があります。そして、その解決策の担い手として、行政や非営利組織だけでなく企業やアカデミックも含めた幅広いアクターに期待がかかります。単純・煩雑ではなく「複雑な問題」と言われる社会システム課題において、どのように価値を創出し、評価するのか、またそれをいかに利害関係者間で共有して進めていくのか? それを効果的に行うための方法論が社会的インパクト・マネジメントです。
世界のSDGsの169目標しかり、少子高齢化や在世逼迫に悩む日本の社会課題解決しかり、限られたリソースで、より大きく、持続的なレバレッジある施策への期待が高まる中、私たちは社会的インパクトのマネジメントの方法論を理解し、応用力を磨き上げていく必要があるでしょう。
社会的インパクトの分野で、世界的に評判が高いのが、英国ニューエコノミクス財団からスピンオフしたNEFコンサルティング社です。チェンジ・エージェント社は、2016年より同社の看板セミナー「変化の理論(TOC)」と「社会的インパクトを測る」を日本向けに共同開発し、提供開始しました。さらに、今回は、チェンジ・エージェント社の強みであるシステム思考について、社会的インパクト共創の基盤を築くという観点で新プログラムを提供し、上記のプログラムと合わせて、「社会的インパクトを共創する連続講座」シリーズを提供する運びとなりました。3つのステップはおおまかに次のようになります。
社会的インパクト共創のための理論と実践をつなぐ3つの連続講座
1)社会的インパクトの基盤を築く(社会変革のためのシステム思考)
社会的インパクトに関する取り組みの基盤は、受益者及び周囲の利害関係者を特定して、なぜその課題が存在するのか、「今の現実」の構造をシステム的に理解することに始まります。そして、より効果的なのは、こうしたシステム分析について、課題を取り巻く重要な関係者を特定し、社会システム横断で集まって、それぞれの視点を共有しながら共通理解を築くことです。米国で数々の社会変革を支援したデイヴィッド・ストロー著『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』をベースにシステム思考の基礎と実践を学びます。
2)社会的インパクトを創出する(変化の理論:TOC)
課題の構造を理解すると共に、受益者や関係者たちにとって何が「望ましい未来」かについてビジョンの構築も重要です。ひとたび現在地(今の現実)と目的地(望ましい未来)が明らかになったならば、どのような道筋を短期、中期、長期に経て進むか――その見取り図とも言えるのが「変化の理論(TOC)」です。関係者たちの戦略共有や進捗経過のベースとなる変化の理論をNEFコンサルティングの推奨するアウトカムマップを用いて実践的に学びます。
3)社会的インパクトを測定する(アウトカムと指標)
変化の理論を通じて現況から未来のビジョンの間に達成するアウトカム(成果)を特定したならば、その進捗を確認するために指標を設計します。社会アウトカム、環境アウトカム、経済アウトカムなどについて、どのように指標を設計するか、あるいは、受益者たちの自助や複数の事業者がある中で、どれくらいが特定の組織や取り組みの実質的な貢献なのかを見極めます。説明責任及び改善のために求められる指標の設計や測定について、英国NEFコンサルティングの提唱するインパクトマップをもとに適宜事例を追加して指標設計と測定の実務について紹介します。
関係者と課題構造の理解(システム思考、12月)、ビジョンへいたるアウトカム設計(変化の理論、1月)、指標による測定・評価・改善(アウトカムと指標、2月)の連続講座の流れに沿って、社会的インパクトを持続的に生み出すため重要ポイントを体系的に学び、日本の参加者の事例に取り組むことで自ら活用できる力、実践力を磨きます。
各講座は単独でもご参加いただけます。→各コースについてはこちら
コース概要
第1講:社会的インパクトの基盤を築く:社会変革のためのシステム思考
― 複雑な課題の「つながり」「構造」を捉える
社会や組織の問題の"症状"に対処するのではなく"構造"から読み解き、根本に働きかける力を養います。社会システム変容の出発点として不可欠な視点を養います。
- システム思考の基本概念とツール
- システム原型、ループ図を用いた構造分析
- 実課題を題材としたシステム構造分析の実践
第2講:社会的インパクトを創出する:変化の理論(TOC)
― 変化を創り出すための共創戦略を可視化する
現在地から目的地までのアウトカムの流れについて、なぜどのように創り出すのかの戦略・計画を明確に示し、関係者の共通理解と共創を引き出すためのプロセスを体得します。
- 変化の理論(TOC:セオリーオブチェンジ)の基本と活用法
- 現況から望ましいビジョンまでのアウトカムの流れを描くTOCキャンバスの活用
- 実課題を題材としたTOC作成の実践
第3講:社会的インパクトを測定する:アウトカムと指標
― 取り組みや組織の社会的インパクトを計測・報告し、改善につなげる
活動の成果を指標設計を通じて見える化し、取り組みの評価し、改善するための方法論及び背後にある原理原則を理解します。活動の有無がどのような違いを創り出したか、活動の価値をステークホルダーに伝え、さらなる広がり、改善に巻き込みます。
- 活動の成果(=アウトカム)を測定する原則とステップ
- 特定したアウトカムを測定する定量・定性的指標の設計
- 実質的なインパクトの見極めとステークホルダーとのコミュニケーション
連続講座受講のメリット
- 社会的インパクトの創出に必要な方法論をまとめて体系的に学べる
- 連続講座を通じて講師や受講仲間との継続的な対話が深まる
- 実践演習を通じて、成果につながるプロジェクト設計の力が高まる
- 一括申込で3つの講座を個別に受講する場合と比べ一般価格より▲77,000円
期待効果
- 複雑な社会課題の構造に根ざした理解を得て、効果的な介入設計する力が高まる
- 部分的な対処ではなく、課題の「構造」を理解できるようになる
- 変化の理論(TOC)によって戦略を可視化し、実効性のある行動計画へ落とし込める
- 成果の測定力がつき、プログラムの説得力と持続可能性が強化される。
- 社会的インパクトを「観察→つくる → 測る」の一連の流れを理解できる
- 自団体や所属組織の戦略・評価設計に直結する実践的スキルを体感できる
- 異なるセクターの参加者との交流を通じ、新しい視点や連携の可能性を得られる
講師
小田 理一郎(チェンジ・エージェント代表取締役)
オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、人財・組織開発、CSR経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲ、アダム・カヘンら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL) ジャパン理事長、グローバルSoL理事などを務め、システム思考、ダイアログ、「学習する組織」の普及推進を図っている。東京科学大学の社会人向けMOTプログラム非常勤講師、大学院大学至善館MBAプログラム特任教授。
サステナビリティの科学者と実践家たちの国際ネットワーク「バラトン・グループ」役員。大陸横断で持続可能な食料システムを目指すコンソーシアム「サステナブル・フード・ラボ(SFL)」の中心人物たちと親交を重ね、世界資源研究所(WRI)の生態系サービスレビュー実務などに携わる。また、JICA で国内外の専門家に研修を実施するほか、東南アジア、アフリカなど途上国でのサステナビリティ・リーダー養成に携わる。
著書に『「学習する組織」入門』『企業のためのやさしくわかる生物多様性』など、訳書にピーター・M・センゲ著『学習する組織――システム思考で未来を創造する』、ディヴィッド・ピーター・ストロー著『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』、アダム・カヘン著『共に変容するファシリテーション』など多数。
チェンジ・エージェント社CSR・CSV及び非営利組織支援の実績
2005年の創設時から企業のCSR方針・戦略策定、CSRマネジメントシステム、CSRレポートなどによるコミュニケーションを支援するコンサルテーションを展開。特に、マルチステークホルダーとのエンゲージメントに関して、CSR各分野の専門家や市民とのダイアログの企画、ファシリテーションなどを提供してきました。非営利組織向けには、環境、人権問題、貧困、緊急支援、教育などの分野でNPOなどにおけるリーダー育成、戦略開発、組織開発などの能力開発に国内外で携わっています。
また、国内外の環境、社会、ガバナンス諸分野の専門家と広く交流し、国際的なネットワークを築き、世界のESG、SDGs、CSV、サステナビリティなどの潮流に関してのリサーチ、勉強会、講演などを多数実施。2010年から「サステナブル・フード・ビジネス研究会」を主宰し、食品業界の方が企業やセクターの枠を越えて学び、協働するためのプラットフォームを運営しました。2015年頃から、国際NGOや国内で社会課題解決事業に取り組むNPOなど数多く支援しています。
募集人数
約24名(最小催行人数4名)
本セミナーは「システム変容(システムチェンジ)」について理解し、活用したいと考えているすべての人にご参加いただけます。
・民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方
・向社会的な人材開発・組織開発に取り組むマネジャー・担当者
・社会起業家、社会変革・社会課題解決に取り組む組織のマネジャー・担当者
・CSV、SDGs、ESGに取り組む企業のマネジャー・担当者 など
価格
-
社会変革セミナー3講座集中コース: 一般 220,000円(税込)(3コースを個別に受講するより、集中コースは77,000円お得です)
日時 | 会場 | 受付 | 申し込み |
---|---|---|---|
2025年 12月16日ー17日、2026年1月20日ー21日、2月17日ー18日 |
東京都内実地(JR水道橋駅、地下鉄日本橋駅、JR神田駅周辺) | 募集中 | 申し込みページ |