システム思考 セミナー

システム原型 入門道場

日時 会場 受付 申し込み
2023年
10月-12月(全5回)
オンライン(Zoom) 募集中 申し込みページ

「システム原型」でシステム思考をより身近に

チェンジ・エージェント社では、2005年の創業以来、事業変化の激しい時代において、変化の潮流を捉え、望ましい変化を創りだすために必要となるものの見方、考え方を培う「システム思考」のセミナーを提供してきました。システム思考を学ぶことは、組織や地域の関係者間でシステムの複雑性についての共通理解を促し、望ましい未来に向けて適切なビジョン、戦略、行動及びマネジメント・システムの設計の土台を築きます。日本においても、ロジカル・シンキングを超えた概念スキルとして、組織開発や知識創造のアプローチとして、社会課題解決、デジタル・トランスフォーメーションなどの基盤として、システム思考への関心が強まっています。

システム思考の要諦は相互のつながりに関する「ものの見方」にあります。日常や今までのものの見方や枠組みで行き詰まっている際に、大局、全体像、根本を見いだせるように飽くなき観察を通じてシステム的な洞察を得て、新しい視点や知識を創造していきます。しかし、今まで培われた個人や組織の思考の習慣、慣行などを棄却して学ぶことは一朝一夕にはいきません。企業などでシステム思考の実践を指導したダニエル・キム氏はその経験から、システム思考の初級レベルの修得に2-5日間、中級レベルに5-10日間、上級レベルには20-30日間の訓練を必要とすると報告しています。弊社の日本国内の経験でも、同様の日数が修得に必要であることを実感しております。さらには、リーダーシップやマネジメントの修得同様に、対象とする組織、行政地域、課題などの規模や複雑性が大きければ大きいほど、数年~数十年の実践で磨き続けるものでもあります。

こうした必要修得期間は、ファシリテーターやコンサルタントとしてシステム思考を実践するならば妥当な期間ともいえます。しかし、職場、組織、地域などにおいて、システム思考を知らない、あるいはじっくり学ぶ時間を捻出できない関係者たちとともに、対症療法や受け身の事後対策、場当たり的な反応を超えて、よりシステム思考を実践に活かすにはどのようにすればよいでしょうか?

そこで開発されたものが「システム原型」です。卓越したシステム思考家として知られる故ドネラ・メドウズ氏は、システム的な洞察にしばしば共通で見られるストーリー、パターン、構造をまとめた「システム原型」を発案しました。システム原型は、システム思考を学んでいない市民や社員、政治家や経営者であっても、わかるやすくシステムの洞察を伝え、システム的な会話や対話を展開するための基盤となります。「学習する組織」の概念を提唱したピーター・センゲ氏は、このシステム原型を主軸に、ビジネスの現場で実用をした体験を主要コンテンツの一つとして『学習する組織―システム思考で未来を創造する』を著し、ベストセラーとなってシステム思考をビジネスや社会起業家などの実践者たちに広げました。

システム原型の例
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オンラインセミナーは、このシステム原型に学ぶことで、システム思考のものの考え方を養うことを主眼としています。システム原型は、複雑なシステム・モデリングに比べれば、より少ない訓練で活用できる一方、単なる問題事象を捉えるテンプレートとして活用したのではその価値が十分活かされません。20以上システム原型がある中で、実際の課題にはどのパターンが起こっているか、どのような構造かを見極める必要があります。さらに、現実に組織や社会で起こる複雑な課題は、しばしば複数の原型が絡み合い、さまざまな環境要因がその出現や強弱に影響を与えます。

システム思考を反復的に実践する稽古の場

本セミナーは1012月の月曜日夜間概ね隔週にて5回構成のシリーズで開催し、12のシステム原型を順次カバーしていきます。第1回から第3回では、類似する系統の基本原型について解説し、それぞれなぜ原型の罠にはまるのか、また、どのように罠を回避し、脱出するかについて学びます。また、第4回では多様な利害関係者の絡み合いによって生じるより複雑なシステムのダイナミクスを概観し、第5回ではすべての原型を振り返り、より複雑なシステムを見立てについて学びます。

第1回 「私たちの問題解決はどのように裏目に出るのか?」
第2回 「私たちの目指す成長はどのように潰えるのか?」
第3回 「私たちの目標達成はどのように失敗するのか?」
第4回 「多様な利害関係者の間でどのようなダイナミクスが働くのか?」
第5回 「システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか?」
(詳細は以下「プログラム」参照)

システム原型 入門道場は、システム原型を「使いこなす」ための5回連続のプログラムとなります。各回の間には課題への取り組み、セミナー当日は自身あるいは他の参加者の課題状況について議論することで学びを深めます。

システム原型は、個人レベル、対人関係レベル、集団レベル、社会レベルなどシステムの規模に関わらず、フィードバック構造の組み合わせから洞察を得るツールです。本セミナーでは、会社や職場などの組織課題、自身や家族など日常生活上の課題などの事例を提示していきますので、さまざまな実践の背景の方にご参加いただけます。

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このセミナーは、修得が難しいと言われるシステム思考について、専門知識がなくとも現場で活用できることを主眼に設計してます。従って、本セミナーの対象は、民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方、あるいはそうした人材開発・組織開発に取り組む方々など幅広い方に有益です。

すでに弊社で「システム思考トレーニング2日間集中コース」を学んでいただいた方にも補完的な内容となっています。また、受講していない方もお申し込みいただけます。(システム思考が初めての方には、事前にご覧いただくビデオをご案内します。)

お問い合わせは、メールでチェンジ・エージェント社兒玉・石山宛て(seminar@change-agent.jp)にご連絡ください。お申し込みは、以下の詳細を参照の上、ページ末にある申し込みフォームに記載、送信ください。

▼システム原型に関する紹介動画/1分50秒ほど(過去のオンラインセミナーより小田の解説を抜粋してご紹介しております)

募集要項・お申込み

コース概要

目的・意図

  • システム思考をより身近に活用するツール「システム原型」を学び、繰り返し現実の課題に適応することで、継続的にシステム思考を活用する能力を向上させる。

プロセスの特徴

学習者が集うアクション・ラーニングの場

道場への参加者は、セミナー当日までにご自身の課題について、システム原型を使った演習を段階的に進めます。毎回のセッション冒頭で新しい原型を学び、その後参加者は少人数グループに分かれてシステム思考の稽古を行います。

期待される効果

  • システム原型を通じて、職場、学校、家庭などより身近にシステム思考を適用するイメージをもてる。
  • 複雑なシステムについての基本的な型を多数学ぶことで、状況の見立てについてより多くの可能性を吟味し、その中から適切な診断を選ぶことができる。
  • システム原型を繰り返し活用することで、システム的な問いや洞察を得る感覚を磨くことができる。

カリキュラム

1回 私たちの問題解決はどのように裏目に出るのか?

対象原型:「好循環・悪循環」「バランス型プロセス」「うまくいかない解決策」「問題のすり替わり」

システム原型の導入として、相互作用の構造を示す自己強化型ループによる「好循環・悪循環」とバランス型ループの「目標追求」を学びます。「うまくいかない解決策(別名:裏目に出る応急策)」と「問題のすり替わり」は類似していますが、一つ重要な相違点があります。なぜ私たちの問題解決は裏目に出るのか、あるいは目指した効果があがらないのかの構造やメンタル・モデルを理解し、どのようにその罠を回避し、あるいは抜けだせるのかについて学びます。

2回 私たちの目指す成長はどのように潰えるのか?

対象原型:「成長の限界」「成長と投資不足」「共有地の悲劇」

自己強化型の好循環をつくることは、成長のエンジンとなります。商品、サービス、慣行などがあるシステムの普及において飽和していく過程は、成長のエンジンとそれに対するさまざまなバランス型の制約ループによってそのスピードや到達する普及率が変わります。多くの成長はえてして飽和点よりもはるかに早く、その成長が潰えてしまいます。そのメカニズムの原型が「成長の限界」と「成長と投資不足」です。また、ギャレット・ハーディンが提唱した「共有地の悲劇(別名:コモンズの悲劇)」を紹介します。

3回 私たちの目標達成はどのように失敗するのか?

対象原型:「目標のなし崩し」「バラバラの目標」

バランス型プロセスは、個人や集団によって矯正や目標追求のため意識的あるいは無意識的に活用されます。多くの場合、その調整が適切に、タイムリーになされますが、その反面もっとも意識しづらいのがバランス型プロセスです。よって、それが機能しなくなるときも意識しづらく、その結果の悪化を振り返って初めて気づくことも少なくありません。私たちの目標達成メカニズムは、どのように失敗に終わるのかを示す「目標のなし崩し(別名:ずり落ちる目標)」と「バラバラの目標(亜型:相克する目標)」を紹介します(12原型には紹介されていない「遅れのある調整」にも言及する予定です)。

4回 多様な利害関係者の間でどのようなダイナミクスが働くのか?

対象原型:「エスカレート」「強者はますます強く」「予期せぬ敵対関係」

市場、業界、社会、地域には数多くのプレイヤーたちが混在します。もし、私たちの扱うシステムに関わる関係者が、自分たちだけだとしたら多くの課題は技術的な問題として解決しうることでしょう。しかし、現実のシステムは複雑にさまざまな利害関係者が存在する故に、問題が複雑に絡まり、当事者たちにとって「適応を要する課題」となります。こうした利害関係者間に起こりがちな3つのシステム原型「エスカレート」「強者はますます強く」「予期せぬ敵対関係」を紹介します。

5回 システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか?

今までの学習のまとめとして、すべての原型を振り返ります。また、事例からシステム原型を見つける演習を紹介します。また、とても複雑な問題状況において、いかにシステム分析が複数のシステム原型の絡み合いを見出し、また、それぞれの原型の視点から多様な洞察を生み出すかについて紹介します。

各回の進行

各回の進行は以下の通りです

  1. 導入(2回目以降は前回振り返り)
  2. 事例
  3. 原型紹介
  4. 個人・グループ演習(1
  5. レバレッジ紹介
  6. 個人・グループ演習(2
  7. まとめ/振り返り

講師

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小田 理一郎(チェンジ・エージェント 上級講師/代表取締役)
オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、人財・組織開発、CSR経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲ、アダム・カヘンら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL) ジャパン理事長、グローバルSoL理事などを務め、システム思考、ダイアログ、「学習する組織」の普及推進を図っている。東京工業大学の社会人向けMOTプログラム非常勤講師、大学院大学至善館MBAプログラム特任教授。著書に『「学習する組織」入門』『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』など、訳書にピーター・M・センゲ著『学習する組織――システム思考で未来を創造する』、ジョン・D・スターマン著『システム思考――複雑な問題の解決技法』(東洋経済新報社)、ディビッド・ピーター・ストロー著『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』、ビル・トルバート著『行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ』、アダム・カヘン著『共に変容するファシリテーション』『社会変革のシナリオ・プランニング』など多数。

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北見 幸子(チェンジ・エージェント 講師/事業部長
大学卒業後、人材開発コンサルティング会社に18年間勤務。法人営業・コンサルティング、インストラクター、プロジェクトマネジメント業務など多岐に渡って顧客の人材開発支援を行う。大手損保会社、銀行を中心に、メーカーなども担当。テーマは、営業力強化、リーダーシップ・マネジメント、評価者訓練、女性活躍、理念浸透など。特に認知心理学や行動科学をベースとした対人対応スキル向上の側面からのアプローチを用いて企画を実施。その後、出版社の教育出版物の営業責任者として医薬品業界全体へのアプローチを行う。後に、事業会社での人材開発責任者として自組織の人材育成に携わり、一人ひとりの成長と組織としての成長が不可分であることを痛感。「学習する組織」の考え方に感銘を受ける。コンサルティングファームで講師を経て、2018年よりチェンジ・エージェントに参画。米国システムダイナミクス学会 Summer School Intermediate track 2021年 修了。

受講対象

  • 民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方

  • 向社会的な人材開発・組織開発に取り組むマネジャー・担当者

  • 社会起業家、社会変革・社会課題解決に取り組む組織のマネジャー・担当者

    ※弊社主催「システム思考トレーニング2日間集中コース」の受講実績にかかわらず受講いただけます。システム思考が初めてとなる方には、基礎を確認するための事前ビデオをご案内します。

    募集人員
    制限無し

募集要項

日時

  • 第1回: 10月10日(火) 19:00-21:30
  • 第2回: 10月24日(火) 19:00-21:30
  • 第3回: 11月 7日(火) 19:00-21:30
  • 第4回: 11月21日(火) 19:00-21:30
  • 第5回: 12月12日(火) 19:00-21:30

ほぼ隔週火曜日19:00-21:30の開催となります。
(当日開始10分前までにオンライン接続を試験ください)
(毎回終了後に任意参加で質問や雑談のためのオープンアワーを20分開催します)

場所

オンライン(Zoom)

*ご受講においては、以下のインターネット接続する環境、機材のご準備をお願いいたします。

  • 動画カメラ、マイクを装備したパソコン及びヘッドホン/イヤホン
    *学びの設計上、タブレットや携帯端末のみのご受講はお控えください。
    なお、受講環境にご相談がある場合は事前にお問いあわせください。
  • ブロードバンド回線によるインターネット接続(目安:実質で上り/下り1.5Mbps以上)
  • Microsoft Edge, Chrome、Safariなどのブラウザーソフト
  • Google ドキュメント、Spreadsheetを利用できる環境
  • できるだけ雑踏や周囲の会話の少ない静かな環境

料金 

  • 全5回 110,000円(税込)

※「NPO職員の方」・「小中高教員の方」(フルタイム職員の方にかぎります)は参加費の30%割引制度がございます。割引きには事前審査がございます。NPO割引は特定非営利活動法人またはそれに準ずる方が対象となります。ご利用に際しては、必要書類をご案内しますので、お申し込みフォームの入力をお願いいたします。

オンラインセミナーは、このシステム原型に学ぶことで、システム思考のものの考え方を養うことを主眼としています。システム原型は、複雑なシステム・モデリングに比べれば、より少ない訓練で活用できる一方、単なる問題事象を捉えるテンプレートとして活用したのではその価値が十分活かされません。20以上システム原型がある中で、実際の課題にはどのパターンが起こっているか、どのような構造かを見極める必要があります。さらに、現実に組織や社会で起こる複雑な課題は、しばしば複数の原型が絡み合い、さまざまな環境要因がその出現や強弱に影響を与えます。

システム思考の実践者のための実践道場

本セミナーは1012月の月曜日夜間概ね隔週にて5回構成のシリーズで開催し、12のシステム原型を順次カバーしていきます。第1回から第3回では、類似する系統の基本原型について解説し、それぞれなぜ原型の罠にはまるのか、また、どのように罠を回避し、脱出するかについて学びます。また、第4回では多様な利害関係者の絡み合いによって生じるより複雑なシステムのダイナミクスを概観し、第5回ではすべての原型を振り返り、より複雑なシステムを見立てについて学びます。

第1回 「私たちの問題解決はどのように裏目に出るのか?」
第2回 「私たちの目指す成長はどのように潰えるのか?」
第3回 「私たちの目標達成はどのように失敗するのか?」
第4回 「多様な利害関係者の間でどのようなダイナミクスが働くのか?」
第5回 「システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか?」
(詳細は以下「プログラム」参照)

システム原型 入門道場は、システム原型を「使いこなす」ための5回連続のプログラムとなります。各回の間には課題への取り組み、セミナー当日は自身あるいは他の参加者の課題状況について議論することで学びを深めます。

システム原型は、個人レベル、対人関係レベル、集団レベル、社会レベルなどシステムの規模に関わらず、フィードバック構造の組み合わせから洞察を得るツールです。本セミナーでは、会社や職場などの組織課題、自身や家族など日常生活上の課題などの事例を提示していきますので、さまざまな実践の背景の方にご参加いただけます。

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このセミナーは、修得が難しいと言われるシステム思考について、専門知識がなくとも現場で活用できることを主眼に設計してます。従って、本セミナーの対象は、民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方、あるいはそうした人材開発・組織開発に取り組む方々など幅広い方に有益です。

すでに弊社で「システム思考トレーニング2日間集中コース」を学んでいただいた方にも補完的な内容となっています。また、受講していない方もお申し込みいただけます。(システム思考が初めての方には、事前にご覧いただくビデオをご案内します。)

お問い合わせは、メールでチェンジ・エージェント社兒玉・石山宛て(seminar [at] change-agent.jp)にご連絡ください。お申し込みは、以下の詳細を参照の上、ページ末にある申し込みフォームに記載、送信ください。

▼システム原型に関する紹介動画/1分50秒ほど(過去のオンラインセミナーより小田の解説を抜粋してご紹介しております)

コース概要

目的・意図

  • システム思考をより身近に活用するツール「システム原型」を学び、繰り返し現実の課題に適応することで、継続的にシステム思考を活用する能力を向上させる。

プロセスの特徴

学習者が集うアクション・ラーニングの場

道場への参加者は、セミナー当日までにご自身の課題について、システム原型を使った演習を段階的に進めます。毎回のセッション冒頭で新しい原型を学び、その後参加者は少人数グループに分かれてシステム思考の稽古を行います。

期待される効果

  • システム原型を通じて、職場、学校、家庭などより身近にシステム思考を適用するイメージをもてる。
  • 複雑なシステムについての基本的な型を多数学ぶことで、状況の見立てについてより多くの可能性を吟味し、その中から適切な診断を選ぶことができる。
  • システム原型を繰り返し活用することで、システム的な問いや洞察を得る感覚を磨くことができる。

プログラム

1回 私たちの問題解決はどのように裏目に出るのか?

対象原型:「好循環・悪循環」「バランス型プロセス」「うまくいかない解決策」「問題のすり替わり」

システム原型の導入として、相互作用の構造を示す自己強化型ループによる「好循環・悪循環」とバランス型ループの「目標追求」を学びます。「うまくいかない解決策(別名:裏目に出る応急策)」と「問題のすり替わり」は類似していますが、一つ重要な相違点があります。なぜ私たちの問題解決は裏目に出るのか、あるいは目指した効果があがらないのかの構造やメンタル・モデルを理解し、どのようにその罠を回避し、あるいは抜けだせるのかについて学びます。

2回 私たちの目指す成長はどのように潰えるのか?

対象原型:「成長の限界」「成長と投資不足」「共有地の悲劇」

自己強化型の好循環をつくることは、成長のエンジンとなります。商品、サービス、慣行などがあるシステムの普及において飽和していく過程は、成長のエンジンとそれに対するさまざまなバランス型の制約ループによってそのスピードや到達する普及率が変わります。多くの成長はえてして飽和点よりもはるかに早く、その成長が潰えてしまいます。そのメカニズムの原型が「成長の限界」と「成長と投資不足」です。また、ギャレット・ハーディンが提唱した「共有地の悲劇(別名:コモンズの悲劇)」を紹介します。

3回 私たちの目標達成はどのように失敗するのか?

対象原型:「目標のなし崩し」「バラバラの目標」

バランス型プロセスは、個人や集団によって矯正や目標追求のため意識的あるいは無意識的に活用されます。多くの場合、その調整が適切に、タイムリーになされますが、その反面もっとも意識しづらいのがバランス型プロセスです。よって、それが機能しなくなるときも意識しづらく、その結果の悪化を振り返って初めて気づくことも少なくありません。私たちの目標達成メカニズムは、どのように失敗に終わるのかを示す「目標のなし崩し(別名:ずり落ちる目標)」と「バラバラの目標(亜型:相克する目標)」を紹介します(12原型には紹介されていない「遅れのある調整」にも言及する予定です)。

4回 多様な利害関係者の間でどのようなダイナミクスが働くのか?

対象原型:「エスカレート」「強者はますます強く」「予期せぬ敵対関係」

市場、業界、社会、地域には数多くのプレイヤーたちが混在します。もし、私たちの扱うシステムに関わる関係者が、自分たちだけだとしたら多くの課題は技術的な問題として解決しうることでしょう。しかし、現実のシステムは複雑にさまざまな利害関係者が存在する故に、問題が複雑に絡まり、当事者たちにとって「適応を要する課題」となります。こうした利害関係者間に起こりがちな3つのシステム原型「エスカレート」「強者はますます強く」「予期せぬ敵対関係」を紹介します。

5回 システム原型まとめ:いかにして複雑なシステムを見立てるか?

今までの学習のまとめとして、「システム原型家系図」を活用してすべての原型を振り返ります。また、事例からシステム原型を見つける演習を紹介します。また、とても複雑な問題状況において、いかにシステム分析が複数のシステム原型の絡み合いを見出し、また、それぞれの原型の視点から多様な洞察を生み出すかについて紹介します。

各回の進行

各回の進行は以下の通りです

  1. 導入(2回目以降は前回振り返り)
  2. 事例
  3. 原型紹介
  4. 個人・グループ演習(1
  5. レバレッジ紹介
  6. 個人・グループ演習(2
  7. まとめ/振り返り

講師

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小田 理一郎(チェンジ・エージェント代表取締役)
オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、人財・組織開発、CSR経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲ、アダム・カヘンら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL) ジャパン理事長、グローバルSoL理事などを務め、システム思考、ダイアログ、「学習する組織」の普及推進を図っている。東京工業大学の社会人向けMOTプログラム非常勤講師、大学院大学至善館MBAプログラム特任教授。著書に『「学習する組織」入門』『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』など、訳書にピーター・M・センゲ著『学習する組織――システム思考で未来を創造する』、ジョン・D・スターマン著『システム思考――複雑な問題の解決技法』(東洋経済新報社)、ディビッド・ピーター・ストロー著『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』、ビル・トルバート著『行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ』、アダム・カヘン著『共に変容するファシリテーション』『社会変革のシナリオ・プランニング』など多数。

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北見 幸子(チェンジ・エージェント 講師/事業部長
大学卒業後、人材開発コンサルティング会社に18年間勤務。法人営業・コンサルティング、インストラクター、プロジェクトマネジメント業務など多岐に渡って顧客の人材開発支援を行う。大手損保会社、銀行を中心に、メーカーなども担当。テーマは、営業力強化、リーダーシップ・マネジメント、評価者訓練、女性活躍、理念浸透など。特に認知心理学や行動科学をベースとした対人対応スキル向上の側面からのアプローチを用いて企画を実施。その後、出版社の教育出版物の営業責任者として医薬品業界全体へのアプローチを行う。後に、事業会社での人材開発責任者として自組織の人材育成に携わり、一人ひとりの成長と組織としての成長が不可分であることを痛感。「学習する組織」の考え方に感銘を受ける。コンサルティングファームで講師を経て、2018年よりチェンジ・エージェントに参画。米国システムダイナミクス学会 Summer School Intermediate track 2021年 修了。

受講対象

  • 民間、行政、市民、アカデミック分野において複雑な課題に取り組む現場リーダー、ファシリテーター、変化の触媒の役割を担う方

  • 向社会的な人材開発・組織開発に取り組むマネジャー・担当者

  • 社会起業家、社会変革・社会課題解決に取り組む組織のマネジャー・担当者

    ※弊社主催「システム思考トレーニング2日間集中コース」の受講実績にかかわらず受講いただけます。システム思考が初めてとなる方には、基礎を確認するための事前ビデオをご案内します。

    募集人員
    制限無し

実施形態・時間

オンライン(Zoom)

平日夜間 19:00~21:30 ほぼ隔週で5回開催

料金 

  • 全5回 110,000円(税込)

※「NPO職員の方」・「小中高教員の方」(フルタイム職員の方にかぎります)は参加費の30%割引制度がございます。割引きには事前審査がございます。NPO割引は特定非営利活動法人またはそれに準ずる方が対象となります。ご利用に際しては、必要書類をご案内しますので、お申し込みフォームの入力をお願いいたします。

日時 会場 受付 申し込み
2023年
10月-12月(全5回)
オンライン(Zoom) 募集中 申し込みページ

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