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- 2020/07/22 12:38
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- 2019/12/04 11:57
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- 2019/03/08 11:44
- 2019/01/30 12:12
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- 2018/11/16 12:37
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- 2017/10/06 12:21
- 2017/09/21 12:05
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- 2017/05/17 11:53
- 2017/04/17 10:51
- 2017/04/04 15:38
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- 2016/02/23 12:42
- 2016/01/15 12:08
- 2015/12/28 13:53
- 2015/12/07 18:31
- 2015/11/27 17:47
- 2015/11/10 12:31
- 2015/10/22 15:10
- 2015/10/02 16:52
- 2015/09/11 12:29
- 2015/08/25 12:31
- 2015/08/11 14:54
- 2015/07/24 16:23
- 2015/07/09 14:58
- 2015/06/23 11:26
- 2015/06/15 19:00
- 2015/06/08 09:55
- 2015/05/26 20:49
- 2015/05/01 16:44
- 2015/04/17 17:10
- 2015/04/10 16:55
- 2015/03/09 12:36
- 2015/02/10 10:30
- 2015/01/28 10:38
- 2015/01/07 16:11
- 2014/12/19 11:48
- 2014/11/28 16:24
- 2014/10/17 12:35
- 2014/10/03 14:28
- 2014/09/10 10:51
- 2014/07/10 16:31
- 2014/07/02 10:33
- 2014/06/24 16:37
- 2014/05/20 10:10
- 2014/04/23 16:53
- 2014/04/04 16:59
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チェンジ・エージェント メールマガジン (2011.7.27)
「システム思考」「学習する組織」「持続可能な経営」の情報マガジン
<a href="http://change-agent.jp" target="_blank">http://change-agent.jp</a>
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(転送歓迎)
■システム思考で問題を解決する(5)「構造は同じままで、悪循環を好循環にひっくり返す」
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000433.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000433.html</a>
■「持続可能な食料生産・流通・消費を目指す世界の潮流:
2011年サステナブル・フード・ラボ サミットの報告」(8月5日開催)
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000429.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000429.html</a>
■そのほかの現在募集中のセミナー
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■『学習する組織―システム思考で未来を創造する』から
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000435.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000435.html</a>
■あとがき「なでしこジャパンに見る、高い業績を生むチームの特徴」
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000436.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000436.html</a>
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■システム思考で問題を解決する(5)「構造は同じままで、悪循環を好循環にひっくり返す」
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前号に引き続き、『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』(東洋経済新
報社)より抜粋し、システム思考による問題解決のアプローチをご紹介します。
(5)構造は同じままで、悪循環を好循環にひっくり返す
仕事が忙しくなってくると、残業したり休出したりと、仕事時間が長くなってし
まいます。仕事時間が長くなると、どうしても睡眠時間を削ることになってしま
います。十分な睡眠が取れないまま、仕事に出かけると、疲れが蓄積してしまう
ので、仕事の能率が落ちてしまいます。すると、同じ仕事をやるのにも元気なと
きよりも時間がかかってしまい、仕事時間がさらに長くなってしまいます……。
図1に示したこのループは、いったん悪いほうに回りだすと、どんどんと悪循環
になってしまいます。この悪循環にはまってしまうと、とてもつらくなります。
図1はこちら→
<a href="http://change-agent.jp/assets_c/2011/07/0726_1-76.html" target="_blank">http://change-agent.jp/assets_c/2011/07/0726_1-76.html</a>
でも、この構造自体は、いったんよい方向に回れば、好循環になることがわかり
ます。疲れがなくなれば能率も上がり、仕事時間も短くてすむので睡眠時間が確
保でき、ぐっすり眠れればますます疲れなくなるという、うれしい状況です。
このようなときには、構造自体を変えるより、「どのように悪循環を好循環に変
えることができるか」を考えることで問題解決が図れます。
Sさんは、「最近いつもボーッとしていて、どうも状態がよくない」と危機感を
抱き、どうしてそうなっているかを考えてみました。そして、まさしくこの状況
に陥っている自分をループ図で見いだしたのです。
「どうすれば、この悪循環を好循環に変えられるか?」――Sさんは、まず疲れ
をリセットするために、「このままでは自分のためにも会社のためにもよくない
ので」と上司に説明し、有給休暇をまとめて取ることにしました。2〜3日しっ
かり休んで、睡眠時間をたっぷり取り、疲れを取りました。
そして、能率をアップすることで仕事時間を短縮できるよう、気が散らずに能率
よく仕事ができる環境を整えました。また、だらだらしないように、それぞれの
仕事に小さな締め切りを設ける習慣をつけることにしました。「仕事時間と睡眠
時間は、忙しくなってくるとついつい悪循環へ向かってしまう」ことを実感して
いたので、最低限の睡眠時間を決め、仕事が長引いて遅く寝た翌日は、その分だ
け遅く起きることを徹底することにしました。
Sさんはこのようにして、まとまった休みを取ることで、悪循環をリセットし、
あとは好循環を維持できる工夫や仕組みを自分で作ることで、仕事も体調も調子
よく維持することができるようになりました。
(つづく)
出典: 枝廣淳子・小田理一郎著『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』
(東洋経済新報社)
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492555757?ie=UTF8&tag=changeagentjp-22" target="_blank">http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492555757?ie=UTF8&tag=changeagentjp-22</a>
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■「持続可能な食料生産・流通・消費を目指す世界の潮流:
2011年サステナブル・フード・ラボ サミットの報告」(8月5日開催)
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000429.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000429.html</a>
ウォルマート、コストコ、カルフールなどの小売り大手、シスコ、USフーズな
どの食品流通大手、そしてユニリーバ、ゼネラルミルズ、ハインツ、コカコーラ、
ペプシコ、スターバックスなどの大手企業が、NGOや生産者団体と協働して食に
関わる気候変動や、水、生物多様性、貧困、労働問題などのさまざまな課題に取
り組む「サステナブル・フード・ラボ(SFL)」という世界的な動きがあります。
<a href="http://www.sustainablefoodlab.org/" target="_blank">http://www.sustainablefoodlab.org/</a>(英語)
2003年に始まったSFLの挑戦は、温室効果ガス、水、廃棄物などのライフサイク
ルでの環境負荷半減を目指す食品企業から、食堂や食卓が文化豊かで、人にも地
球にも優しい食材の提供を目指す外食・小売りのネットワーク、そして、途上国
の貧しい人たちがより文化的で豊かな生業につくための農業開発、農業慣行改善
に向けたコミュニティとの協働プロジェクトまで、多岐にわたって展開されてい
ます。
世界全体で言えば、気候変動の影響が現れ、水問題や生物多様性問題が深刻化し、
資源制約、価格高騰が相まってますます持続不可能な方向に向かっています。し
かし、地域やプロジェクトで見ると、勇気づけられるような動きや成果が起こり
始めてもいます。
サステナブル・フード・ラボ・サミットは、そうしたポジティブな動きを学び、
多様な関係者たちからの視点や智恵をもらい、将来の課題解決に向けて自らの役
割やビジョンを明確にする場となります。今年は北米、ヨーロッパ、中南米など
から170名が、アメリカはオレゴン州ポートランド近郊の地に集結し、4日間を
共に過ごしました。
このサミットには、ピーター・センゲら、組織開発、対話、リーダーシップの一
流の実践家たちが支援し、食料問題のような大きな課題について、各企業やNG
O、あるいは一個人がどのように向き合うべきか、といった課題も中心に据えら
れました。ユニリーバ、コストコ、ナイキといった大企業のマネージャーが、ど
のように持続可能性の問題に対して、経営陣を動かし、社内外に仲間のネットワー
クを築いていったか、などの「変化の理論」の実践も取り上げています。
チェンジ・エージェント社の小田理一郎は、以前より「サステナブル・フード・
ラボ」の中心人物たちと親交を重ね、サミットではアジアから唯一の参加者となっ
て、食の持続可能性に関する世界の動きについて学んできました。
このたびは、食料システムの世界の課題やその解決に向けての最新動向を報告し、
そこから日本の私たちが何を考え、行動すべきかについて話し合う場を企画いた
します。食の生産・流通・消費の将来に関心のある方は、是非この機会にご参加
ください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここからご案内〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「持続可能な食料生産・流通・消費を目指す世界の潮流:
2011年サステナブル・フード・ラボ サミットの報告」
○日時:2011年8月5日(金)18:30〜21:00 (18:15受付開始予定)
○場所:豊島区立舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」会議室B
(JR池袋駅 東口より徒歩10分
東京メトロ有楽町線・東池袋駅 6・7出口より直結)
○共催:有限会社チェンジ・エージェント・有限会社イーズ
○プログラム(予定)
18:15 受付開始
18:30 開始
発表(小田理一郎より)
対談(枝廣淳子×小田理一郎)
対話・質疑応答
21:00 終了
○報告者:小田理一郎
○ファシリテーター:枝廣淳子
○定 員:最大100名程度
○参加費: 2,000円(税込)
○お申込み:
以下の申込書を 専用アドレス <a href="mailto:sfl2011@change-agent.jp">sfl2011@change-agent.jp</a> までお送りください
(件名に『「2011年サステナブル・フード・ラボ サミット報告会」申込み』と
お書きください)。折り返し、参加費のお支払いについてご案内いたします。
参加費のお支払いをもって正式受付とし、参加票を電子メールでお送りいたします。
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申 込 書
■2011年8月5日(金)
『2011年サステナブル・フード・ラボ サミット報告会』に参加します。
ご氏名 [ ]
ふりがな[ ]
ご所属 [ ]
メールアドレス [ ]
連絡先電話番号 [ ]
備 考 [ ]
※このセミナーのことをどこでお知りになったか教えていただけると幸いです。
( ) a. 以前受講した人からのご紹介 ご紹介者名( )
( ) b. 職場・知人・友人からのご紹介
( ) c. システム思考メールマガジン
( ) d. チェンジ・エージェントのウェブサイト.
( ) e. チェンジ・エージェントからのメールによるお誘い
( ) f. 他のメールマガジンによるご案内 ( )
( ) g. その他 ( )
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○お問合せ:
有限会社チェンジ・エージェント (担当:岩下、安西)
E-mail:<a href="mailto:info@change-agent.jp">info@change-agent.jp</a>/電話: 03-6413-3760
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■そのほかの現在募集中のセミナー
<a href="http://change-agent.jp/products_services/index.html" target="_blank">http://change-agent.jp/products_services/index.html</a>
現在募集中の「システム思考」及び「学習する組織」セミナーは以下のとおりです。
○「システム思考トレーニング」ベーシックコース
ピーター・センゲが、「第5のディシプリン」、つまり、学習する組織の要とし
て位置づけたのが「システム思考」です。本トレーニングコースでは、このシス
テム思考の基本的な考え方の「氷山モデル」と基本ツール「時系列変化パターン
グラフ」「ループ図」を学び、グループ演習、ラーニング・ゲームなどを交えて
頭と体で実感しながら学習します。
2011年9月3日 福岡 <a href="http://change-agent.jp/news/archives/000414.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000414.html</a>
2011年10月19日 東京 <a href="http://change-agent.jp/news/archives/000432.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000432.html</a>
○「学習する組織」リーダーシップ研修
組織開発、人事開発の担当者の方、そして、21世紀型の新しい組織リーダーシッ
プを探究したい方には、「学習する組織リーダーシップ研修」がお勧めです。激
しい環境変化の中で現場の一人ひとりが考え、実行できる組織をつくるための5
つの基本領域を学び、21世紀型組織に求められるリーダーシップを開発します。
2011年10月28-29日 東京開催
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000413.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000413.html</a>
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■『学習する組織―システム思考で未来を創造する』から
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000435.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000435.html</a>
本号より、先月刊行したピーター・センゲ著『学習する組織―システム思考で未
来を創造する』から、引用を紹介していきます。
「チーム学習」の章からの引用です。真に強いチームは「和して同せず」。月並
のチームは「同して和せず」。あなたのチーム・組織では、いかがでしょうか?
対立がないのが優れたチームではない。絶えず学習しているチームの何よりも信
頼できる指標の一つは、考えの対立が目に見えることだ。優れたチームでは対立
が生産的になる。
チェンジ・エージェントでもツィッター配信を行っています。
<a href="http://twitter.com/#!/ChangeAgent_jp" target="_blank">http://twitter.com/#!/ChangeAgent_jp</a>
また、上記は、出版社の公認ツィッターから許可を得て引用しております。
<a href="http://twitter.com/#!/5th_Discipline" target="_blank">http://twitter.com/#!/5th_Discipline</a>
ピーター・センゲ著『学習する組織―システム思考で未来を創造する』
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4862761011?ie=UTF8&tag=changeagentjp-22" target="_blank">http://www.amazon.co.jp/gp/product/4862761011?ie=UTF8&tag=changeagentjp-22</a>
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■あとがき「なでしこジャパンに見る、高い業績を生むチームの特徴」
<a href="http://change-agent.jp/news/archives/000436.html" target="_blank">http://change-agent.jp/news/archives/000436.html</a>
なでしこジャパン(女子サッカー日本代表)がドイツで開かれたワールドカップ
で優勝しました。今年は震災やその後の一連の不始末の暗いニュースが多かった
中、久々の明るいニュースでした。おめでとうございます。
サッカーは、システム思考や学習する組織を考える上で多くのことを実にわかり
やすく示唆してくれます。システムとは、「つながりをもった集合体」のことで
すが、サッカーチームはまさに個々の選手が、チーム内はもちろん、相手選手や
審判、観客も含めてさまざまなつながり、相互作用があります。
あるシステムが高いパフォーマンスを上げるためにもっとも影響が大きいのは、
要素の質よりもつながりの質です。つまり、個々のプレイヤーの質以上に、プレ
イヤー間のつながりの質がしばしば勝負を分けます。身体的能力では劣りがちな
日本人でも、選手間の意図の共有、コミュニケーション、動きの連携やパスの精
度などを高めることで、質の高いプレイヤーを抑え、相手の間隙をぬった攻撃も
可能になります。
システムとして機能するのは、戦術的なことだけでなく、戦略面でも重要です。
そうした高いつながりをもったチームづくりは一朝一夕ではいかないでしょう。
なでしこジャパンは、佐々木監督の指揮が長い期間、安定的に続いています。目
指す姿や方向性が長期に安定しない状況では、組織は場当たり的な行動を繰り返
し、結果として組織風土は荒廃し、いずれ崩壊します。日本という国、政府、そ
して多くの低迷する組織では、トップ交代があまりにも早く続くため、長期的な
人づくり、組織づくりや戦略的な取り組みに本腰が入らないのですが、この点で
なでしこジャパンは対照的だといえるでしょう。
決勝のPK戦で現れたように、心理(メンタルモデル)もまた選手のパフォーマン
スに大きく影響を与えます。監督はここぞという場面で笑顔を織り交ぜ、上手に
緊張感をほぐしたりしながら、選手たちが自らの潜在能力を引き出すことを上手
に支援していました(もちろん、笑顔やリラックスそのものが勝利の秘訣ではな
く文脈こそが肝心です)。そのためには、日常のたゆまぬ鍛錬の積み重ね(自己
マスタリー)があってこそ、潜在能力も伸びるし、その潜在能力を出し切ること
も可能になります。
そして何度も訪れた逆境をはねのけた不屈の精神には特に感銘を受けました。そ
の背景には、個々の選手が、そしてチーム全体が共有して抱く想い、つまり、共
有ビジョンがあったからこそではないかと思います。海外のメディアのインタビュー
でキャプテンの澤選手が答えていた内容には心を打たれました。選手たちは自分
たちがしていることがサッカー以上のものであると認識して、次のように述べて
います。
「こんな辛い時期だからこそ、みんなに少しでも元気や喜びを与える事が出来た
ら、それこそが我々の成功となる。日本は困難に立ち向かい、多くの人々の生活
は困窮している。我々は、それ自体を変えることは出来ないものの、日本は今復
興を頑張っているのだから、そんな日本の代表として、復興を決して諦めない気
持ちをプレイで見せたかった」
自分事なら人は動くといいます。さらに、そこにほかの多くの人たちに捧げる想
いが重なったとき、自分たちの使命感を背負ったときに、人は自らの潜在能力を
100%出し切るような、力の源泉に触れるのでしょう。
そうした深いレベルでつながりを持ち続けながら、健闘し、日本を励ましてくれ
たなでしこジャパンに敬意を抱くとともに、あらためて私たち一人ひとりへ送ら
れたエールを受け止め、長い道のりに向けてのパスをつなぎ続けていこうと思い
ます。
小田理一郎・枝廣淳子